【若手プランナー必見】企画・提案で重要な「ファクト整理」。正しくまとめるポイントは?

プランニングの業界では、入社後ほどなくして、上長から「ファクトシート」の作成を任されることがあると思います。ファクトシートとは、特定の目的に沿って情報(ローデータ)をまとめ、企画や提案、報告の確からしさを担保する「よりどころ」のことです。

企画の仕事では、この「ファクトシート=よりどころ」をもとに議論を通し、事実を解釈し、問題の発見や原因の追究を行います。キャリアの浅いうちは、上長のプレゼンの手伝いや、データをまとめるだけの初歩的な仕事のように思えますが、今後プランナーとして関わるどのプロジェクトでも、仕事の根幹となる重要なスキルです。

今回は、ファクトシートの役割と、わかりやすくファクトシートをまとめるポイントをご紹介します。

  1. 確からしい提案には、ファクトシートが必要不可欠
  2. 準備編|正確なローデータ収集はできていますか?
  3. 整理編|3つのルールでわかりやすくファクトをまとめよう

確からしい提案には、ファクトシートが必要不可欠

情報(ローデータ)は、企画や提案、報告に必要な「確からしさ」や「納得性」を担保するものです。しかし、ローデータ自体に価値はありません。いつ、だれが、何のために使うのか?目的に沿って情報編集されている「ファクトシート」として整理されるからこそ、「よりどころ」として価値を発揮します。

たとえば、クライアントから新しく資料請求につながる記事を提案して欲しいと言われたとします。この場合、過去の記事へのアクセスデータをもとに「どのようなタイトルなら多く閲覧されるか?」「記事の中のどのタイミングでバナーを表示すれば資料請求されるか?」‥などを考える必要がありますね。

つまり、データの中でも各記事の「流入獲得数」「スクロール率」「資料請求数」が一覧化されていれば「よりどころ」となりそうです。このように企画や提案の目的に沿って、ローデータから読み寄れることを整理することで、はじめて使えるファクトシートだと言えます。

ファクトシートの一例

準備編|正確なローデータ収集はできていますか?

「よりどころ」となるために整理すべき情報がわかれば、次はローデータの取得に移りましょう。この時注意したいのは、ローデータの正確性です。ローデータに誤りがあったり、あるいは出典が明記されていなかったりすると、いくらその後ファクトシートを綺麗にまとめられても信憑性に欠けてしまいます。

ローデータを取得する場合は、可能な限り一次情報にあたり、ファクトシートには必ず、出典や取得日などを明記するようにしましょう。

ファクトの期間・条件の記入例

整理編|3つのルールでわかりやすくファクトをまとめよう

最後に集めた情報(ローデータ)をファクトシートにまとめる際のポイントを3つの「わかりやすさ」をもとに説明します。

1.判りやすさのルール

判りやすさとは、判別しやすさ、すなわちファクトシートのターゲット(クライアント、プロジェクトのメンバー)がパッと見て理解できるかです。

先ほどの記事テーマを考えるためのファクトシートでは、各記事の「流入獲得数」「スクロール率」「資料請求数」が見やすくまとめられていることが重要でした。それ以外の情報はかえって混乱を招きかねません。目的に沿って必要な情報のみ整理しましょう。

また、シートにまとめる際は、どの数値が何を示すかしっかり判るように、

  • 同じ項目は、同じ色・大きさで記載し、位置をそろえる
  • 違う項目は、しっかり区別する
  • データの単位や、色使いの凡例を忘れずに書く

といったポイントにも注意しましょう。

2.解りやすさのルール

解かりやすさとは、解読しやすさ、つまり論理的に理解しやすくまとめられているかを指します。ファクトシートを見る間にあちこちに視点が飛ぶようなまとめ方はNGです。タイトルと書いてあることに一貫性があり、論理的につながることを心がけましょう。また資料に掲載のないデータについて、言及しないようにも注意しましょう。

3.分かりやすさのルール

最後の分かりやすさは、分別がつく、つまり見る人が腑に落ちやすいようにまとめられているかを指します。比較表などはヌケモレ・ダブりなく(=MECE)にまとめられているか、ファクトに自らの解釈が含まれていないか注意してまとめましょう。

注意!|ファクト整理は、データをわかりやすく編集すること。解釈・操作はNG
ファクト整理はローデータはそのままに、そこから読み取れることを伝える相手(クライアント、プロジェクトメンバー)に合わせて編集することです。解釈に役立つように整理することは重要ですが、自らの解釈を含んだり、編集の過程で情報を操作したりしないように、あくまで事実は事実としてまとめ、「よりどころ」としての価値を保ちましょう。


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