経験のすべてが“今”につながる——藤﨑さんが歩んだキャリアと営業の哲学(最終回)

やってみる勇気と、人に出会う姿勢が人生をつくる

学生に向けて、今のうちに身につけておいたほうがいいことは何でしょうか?

まずは、チャレンジすることですね。何が起きるかわからない時代だからこそ、やってみないと見えない景色ってたくさんあると思うんです。自分の好きなことをやるのもいいですが、「あまり得意じゃないな」「ちょっと怖いな」と感じることにも、一歩踏み出してみる勇気が大切です。失敗しても大丈夫。むしろ若いうちは失敗した方がいい。ショックに思うかもしれませんが、経験からしか学べないことは多いし、大人から見れば「そんなの大したことじゃない」と思えることも多い。だから、遠慮なくいろんなことに挑戦してほしいですね。

確かに、そうですよね。

もう一つ伝えたいのは、「ご縁を大事にすること」です。人とのご縁は、思ってもみなかったところで活きることがあります。私自身、仕事でも人生でも、思いがけないタイミングでご縁が再びつながって、助けられたことがたくさんあります。学生時代の友人や先生、アルバイト先の人、サークルの仲間……どんな人との関係も、あとから意外なかたちで意味を持つことがある。だから、「この人とは関係ないや」と思わずに、ちょっとだけ勇気を出して声をかけてみる、話してみる。そんな一歩を大事にしてほしいと思います。

学生さんからはよく「何を勉強しておいたらいいですか?」と聞かれますが、どう思われますか?

正直、私は勉強も資格も得意じゃなかったんです(笑)。ただ、「人に会っておけ」というのは声を大にして言いたいですね。知っている世界の外に出てみると、自分とは違う価値観や考え方に触れることができて、それが後の人生に必ず生きてきます。あと、本も読んでおくといいと思います。ジャンルはなんでもよくて、自分がちょっとでも興味を持ったもので大丈夫です。今すぐ役に立たなくても、ある日「そういえばあの本に書いてあったな」と思い出して掘り下げるきっかけになることがありますから。

世の中は、一寸先は闇。だからこそ、まずはやってみることで見える景色があるし、やってみなければ何もわからない。

今後やってみたいことや、考えているプロジェクトがあれば教えてください。

実はいま、小中学校時代の同級生たちと一緒に、地元・埼玉県蓮田市で地域に貢献するような事業を立ち上げようと準備しています。もう40年以上つながっている仲間が10人ほどいて、年に2回ゴルフをしたり、忘年会をしたりする関係がずっと続いていて。ほとんど“親戚”みたいなものですね。

すごい絆ですね。それが事業につながっていくとは驚きです。

そうなんです。みんなちょうど定年が近づいてきて、「この先、何か一緒にやってみないか」と話すようになって。ちょうど蓮田市の市長も同世代なので、地元とつながりながら、介護や福祉など現実的なテーマにも向き合って、「自分たちだからできること」を模索しているところです。

そのプロジェクト、楽しそうですね。

すごく楽しいです(笑)。みんな本業ではそれぞれの分野でキャリアを積んできたので、「お前は営業担当だな」「お前はマーケだろ」とか、自然と役割分担もできていて。話しているだけでワクワクしますし、本当にありがたいご縁だなと感じます。

まさに地元の力を活かしたプロジェクトですね。

はい、「4241(よによい)」っていう仮の名前にしています。昭和42年・41年生まれの僕らが、“世の中によいことをしよう”という思いを込めました。昔のつまらない話で盛り上がりつつ、いまの自分たちの経験をどう活かせるかを真剣に語り合えるって、なかなかできないことだと思うんです。60歳の同窓会をひとつの節目に、2年後くらいの立ち上げを目指して動いています。

長く続くご縁が新しい動きを生み出しているんですね。

本当にそう思います。こういう“楽しい真剣さ”が持てるのって、大人になったからこそなのかもしれませんね。

長時間ありがとうございました。貴重なお話を伺えて、とても楽しく、あっという間の時間でした。