マーケティングプランナーの仕事は、こころを動かすこと
マーケティングプランナーの役割を一言で言えば、「人の心を理解して、ターゲット顧客のこころを動かすこと」です。私たちが日々つくっている提案書や広告コピー、分析レポートの先には、必ずエンド顧客がいます。その顧客の心を理解し、行動を変えてもらうことがゴールです。
そして、(すでにご承知かと思いますが)こころを動かすべき人はもう一人います。それは、私たちに仕事を依頼してくれるクライアントです。しかし、クライアントの言葉をそのまま受け止めるだけでは、要望通りの納品物はできても、本当にクライアントの心を動かす、すなわち満足していただける成果物にはなりません。大切なのは、クライアントの言葉の裏にある「本音」をくみ取ることです。
ここで役に立つのが「意」という漢字です。
「意」という文字の意味を知る
「意」という字は、「音」と「心」を組み合わせてできています。「言葉を耳にして(音で聞き)、その意味や心を察する」ことから、「おもい」「きもち」を意味するようです。
この「意」を仕事の現場でも良く使います。たとえば、「意見」「意味」「意図」「意志」「意識」など。これらの「意」を「クライアントの想いや気持ち」として、捉えてみましょう。意味はこのようになります。
- 意志 … クライアントが、目的を実現しようとする強い心の働き
- 意図 … クライアントが心に描いた計画やねらい
- 意見 … クライアントが、心に思うことを表したもの
- 意味 … クライアントの言葉や行動の中身
- 意識 … クライアントが気づいている状態、こころの自覚
たとえば、クライアントとの打ち合わせにおいては、クライアントは意見を言い、その意見の意味を私たちは考え、対応しようとします。しかし、クライアントはそもそも何らかの意志の下で、意図した考えがあり、(特に意識していないかもしれませんが)それを私たちには伝えていない状況で定例会議が進むということも多々あります。
クライアントの「意」をどうくみ取るか
クライアントは「この施策をやりたい」「こういう資料が欲しい」と言います。しかし、これは表面的な意味にすぎません。私たちが目を向けるべきは、その背後にある意図(なぜそれをやりたいのか)、そして意志(何のために何を達成したいのか)です。
この理解が浅いまま仕事を進めると、
- 納品はしたものの、期待値に届かない
- クライアントが本当に欲しかったものとズレている
- 長期的な信頼関係につながらない
…といった問題が起きます。
逆に、クライアントの意を正しくくみ取ることができれば、
- 表面的な要望を超えた「本当に価値のある提案」ができる
- 納品物がクライアントの目的達成に直結する
- 信頼され、継続的に相談してもらえる
…といった成果につながります。
「意」をくみ取る4つの実践ポイント
クライアントの「意」を理解するために、私たちが日々意識すべきことを整理します。
- 傾聴
相手の話を遮らず、最後までしっかり聴く。うなずきやあいづちで「ちゃんと聴いています」という姿勢を見せることが大切です。 - 観察
言葉だけでなく、声のトーン、表情、沈黙なども手がかりになります。「なぜこの言葉を選んだのか?」と背景を考える癖を持ちましょう。 - 問いかけ
意図を深掘りします。直接的に「なぜ、■■なのですか?」とは聞かず、「■■というのは、○○という目的があるからという認識で良いですか?」「■■であるというのは、○○ということを考えていらっしゃるんですね?」「○○という意図で、■■というご指示でよろしいですか?」と確認すると、理解のズレを修正できます。聞いたことを端的に集約できるか?瞬時に仮説を立てられるか?というスキルが求められます。 - 共感
相手の言葉に必ずしも同意する必要はありません。「そう感じられるんですね」と受け止める姿勢を持つことで、安心して意図、意志などのいわゆる「本音」を話してもらう土壌がつくれます。
まとめ
「意」はこころを示します。マーケティングプランナーやコンサルタントにとって、クライアントの「意」(特に意志や意図)をしっかりくみ取ることは、満足いただける提案をしていくうえで、とても重要です。
そのためには、傾聴・観察・問いかけ・共感の4つを実践し、相手の意を深く理解することが重要です。これができれば、単なる業務遂行者にとどまらず、信頼されるパートナーとして価値を発揮できます。
「相手の意をくみ取る」という姿勢こそが、私たちの仕事を一段上のレベルへ引き上げる原動力になるのです。













