事業会社でさまざまな企画職をご経験の方にお話を聞く「Client's View」。
今回は、30年にわたり人と組織に関わり続け、2022年に独立して「コルディアル社」を立ち上げた藤﨑さんにお話をお伺いしました。
優しさと熱さのあいだで軽やかに人と向き合ってきた藤﨑さんの言葉は、
営業のプロだけでなく、これから働くすべての人にヒントを与えてくれます。
社会人の方はもちろん、これから社会に出る学生の皆さんにも、何かしらの参考になれば幸いです。
1回目(今回):「営業力は、“人”と“組織”の両輪で育てる」——コルディアル社の仕事とは
2回目:最後の3年より、これからの10年で選んだキャリア——NECからパーソル、そして独立へ
3回目:話しやすい空気づくりから数字まで、営業に欠かせない3つの軸と、“人間力”の磨き方
4回目:やってみる勇気と、人に出会う姿勢が人生をつくる
【聞き手:株式会社シンクジャム代表|国本智映】
「営業力は、“人”と“組織”の両輪で育てる」——コルディアル社の仕事とは
まずは、コルディアル社について、簡単に教えていただけますか?
はい。弊社は、企業の「営業力」を高めるための支援を行っています。組織全体だけでなく、個人の営業力強化も含めた支援ですね。「人と組織の営業力を強くする」というのが私たちの軸で、ちょうど設立して1年になります。
営業力の強化って、具体的にはどんなことをされているんですか?
かっこよく言えばコンサルっぽい仕事ですね。実際には、企業ごと・人ごとの課題に合わせてメニューを組み立てていくイメージです。たとえば、「若手を中心に研修してほしい」というニーズには、営業の基礎力を底上げするような集合研修を実施しますし、「クロージングがうまくいかない」といった個別課題には、1対1での支援を行ったりしています。ケースバイケースで柔軟に対応しています。
最近はどんなニーズが多いですか?
やっぱり「人的資本への投資」に関心が集まっている影響で、若手向けの育成ニーズが多いですね。企業の予算も、若手に重点を置くケースが増えている印象です。
若手営業職の方には、どんな課題があると感じていますか?
一番多いのは、「営業プロセスが体系化されていない」という点です。営業に正解は無いのですが、お客さまと信頼関係を築き、商談を進めるには、こういう手順だと比較的うまくいきやすい、といったようなノウハウがあります。そこが整理されていないと、どうしても感覚や自己流に頼ってしまって、成果に波が出やすくなってしまうんですよね。
営業のやり方を「見える化」することで、再現性が高まるということですね。
そうですね。営業でも「再現性」ってすごく大切だと思っています。同じ商談は二度とありませんが、どういうお客さまに、どういう質問や投げかけをしたらいいのか。いつも予想どおりにとはいきませんが、うまくいきやすい法則のようなものは一定あると思います。自分の成功体験や失敗をプロセスに沿って振り返って、「次はこうしよう」と学んでいく。その気づきが重要です。

ありがとうございます。クロージング(営業活動の最終段階で、意思決定を促す行為)についてもお聞きしたいのですが、クロージングのコツってありますか?私はあまりしつこく「どうですか?」と言えないタイプで……。
難しいテーマですね(笑)。大切なのは、お客さまが「自分で決めた」と思えるように商談を組み立てることだと思っています。「決めてください」「買ってください」とこちらから圧をかけると、お客さまは引いてしまうんですよね。それよりも、自分で選んだと自然に思っていただけるように話を進めることが、意思決定を引き出す営業のあり方だと思います。たとえば、「あなたの言うとおりにやったらうまくいった」とお客さまに思っていただけるように、会話をつなげていく。そこがクロージングの本質だと思います。
なるほど。それ、うちの会社のコンサル手法ともすごく似ています。お客さまに自分で決めてもらったように思っていただくという。
本当にそうですね。テクニックは違っても、価値提供の考え方や、お客さまのビジネスにどう貢献するかという視点は、営業もマーケティングもつながっていると思います。
私も、営業とマーケティングってつながりが深いと感じていまして。藤﨑さんも、内部で解決できないことを、外の企業さんに依頼されたご経験はありますか?
あります。スタッフ募集のために、広告代理店やWebマーケティング会社に依頼していました。紙媒体からWeb広告への移行期で、リクルート系の会社に多くお願いしていましたね。対応範囲も広く、まとめて任せられる安心感がありました。
うまくいかなかったケースもあったのでしょうか?
ええ、ブランド再構築のプロジェクトを外部にお願いしたことがあったのですが、最終的には頓挫してしまいました。柔軟な対応を期待していたのに、想定外の追加費用が発生してしまって……。結果として「これはもう自前でやろう」となったんです。
何故そういうことが起きたと思いますか?
振り返ると、こちら側が「何をしたいか」「どこを目指すか」といった軸を持ちきれていなかったのが原因のひとつだったと思います。プロに頼むにしても、核となる部分は自分たちで考えないといけない。そこが曖昧だと、ズレが生じてしまうんですよね。
任せる・任せないの線引きが大事なんですね。
はい。表現や手法といった“外側”の部分は外部にお願いしてもいいと思いますが、事業の核や価値の定義は自社で持つべき。営業とマーケティングも、そうした役割分担のうえでつながっていく関係だと思っています。












