行動を重んじ成功に導く|森角敦さんインタビュー(3)

支援会社をチームとして見る

社外には「異なった視点」を求めつつ、社内でやらないといけないことは何ですか?

何か開発するもののコンセプトは社内でつくる。お題目みたいのを社内でつくるべきですね。お題目に対して、少しチューニングして欲しいっていうのは、支援会社にお願いすることもありますけど、お題目がちゃんと自分たちで作れないと、戻るべきところは多分最後の言葉になってくるので、そこは事業側でつくるべきだと思います。

いわゆるコアのところは自分たちで作らなければならないということですね。

そうですね。あと重要なことは、支援会社をチームとして見ることが、事業会社の成功への近道だと考えています。事業会社は、支援会社が考えてきていただいた時のリアクションとして「ありがとう」がちゃんと言えることが大事だと思っています。過去に「これじゃなくて~」とダメ出しばかりやってしまった時、結局上手くいかなかったことがありました。

支援会社側で仕事をしているのも「人」なので、やっぱり気持ちが違うと出てくるアウトプットも全然違うっていうのは、当たり前のことだと思います。結局お金が100万円だろうが10万円だろうが、多分仕事になったら気合いは同じだろうなと思っていて。私自身、事業会社にいた時は、そういったところにはすごく気遣っていました。支援していただいている会社さんと、そこに発注する会社の関係性っていうのが、とっても大事なんだろうっていうふうには思います。

支援していただく会社さんにリスペクトを忘れないことが大切

軽く行動してから考える時代

我々もチームとして接していただけるのがありがたいです。続いて、今後のマーケティングはどうなっていくと思いますか?

とにかく個が強くなるような気がしています。あとは、思った以上に今までよりも多分安く何かが作れる、それも投資しなくて作れることが多いかなとは思いますね。ものづくりであったり、サービスづくりであったりっていうところも、行動した人たちが勝つのかなと思っていまして。

何か成功しても、すぐに真似されるので、栄枯盛衰が早いサイクルで来るなとは思いますが、やり続ける必要はあるでしょうね。ただ、個になってくるとは思いますので、今まで会社っていう組織に属していたから、こういうことができなかったみたいなところとか、大きな投資をしないといけないから、会社にもこれは提案できなかったみたいなところはなくなってくるかもしれません。気軽、手軽に実証実験からこういうことやってみたいですっていうところを、会社に提案したりとか、自分で何かやってみるみたいなのが、マーケティングとして流行るというか、マーケティングの当たり前になるんじゃないかなというふうには思いますね。ですから本当に小さく、すぐに始めてみるっていうことが可能になっていくと思います。今うちのチームでもそう言っているので。アウトプットの表現が違うから、商品にはなるかなとか。売るだけ売ってみようっていう。

マーケティングのPDCAがやりやすい時代」になるということですか?

そうですね。愛好家みたいなのがどんどん出てきてしまうだろうな。それは、売りやすいものになるんじゃないかなっていうふうには思います。

マーケティング最高峰を経験せよ

マーケターを志望される学生さんとか、若い方に伝えておきたいことを教えていただけますか?

いいものとか、いいこととか、いいご飯、とにかくいいものに触れていって欲しいです。景色もそうですし、趣味でもそうですし、その中のいいものっていわれるものを見て、触って、五感で体験していくことが仕事にも絶対生きるので。僕も多分そこがすごく生きているんです。

もちろん勉強することも大事ですが、ポスターを見てフェルメールを感じるよりは、美術館とかに行って、100年以上前に描かれ今も感動を与えているフェルメールの本物を見て、「なんでこれが?」と考える時間があった方がいいと思います。あと、どこかちゃんとした料理屋さんに1年に1回でもいいので行くとか。そこには上司や先輩に連れてってもらってでもいいので、食べてみるとかは、とても大事なのかなというふうには思います。

ずっと続いているマーケティング最高峰を経験するのは大事だと思います。買わなくてもいいから、ルイヴィトンの店舗とかは、行って回ってみたらどうですかっていうぐらい、どういう接客されているんだろうとか、どういう人物なんだろうとかっていうのを見るだけでも、違うんじゃないかっていうふうには思います。

経験はムダにならない

自分で良い体験をした方が、後々生きてきますね。

はい。そこが結構大事だろうなと思います。コロナで海外とか行けなかったのかもしれないですけど、もしかしたら国内旅行も難しかったかもしれないんですけど、行けるんだったら、行った方がいいですよっていうことです。文化の違いみたいなところも、多分経験することで価値観の違いを理解するとか、それは多分すごく生きるんじゃないかって思います。

できることを増やすことが大事だとは思うんですけど、したいこととできることを追い求めていけば、すべきことっていうミッションは、自ずとその中から出てくることの方が多いと思っています。そっちの方が精神的には安定しているし、自分の得意分野をガンガン伸ばしていけるので、そういうふうにしていった方がいいんじゃないですかって思います。

あとは、なるべく黙ってないで、しゃべった方がいいですよっていうことですかね。これやりたいですとか。こういうふうに考えているとかっていうことに関しても、話した方がいいです。それが、そっくりそのまま、案件になることはないかもしれないですけど、そこがヒントとなって案件が加速度的に良くなることっていうのは、結構誰の意見とか関係なくあるので。だから、直近でこういう企画があるよというのは話した方がいいかとは思います。ただ、自分が大事に温めているようなものは、僕はむやみに話さないかとは思いますけど(笑)。

知識面ではどうですか?

普段、買ったものを「なんでそれを買ったのか?」って、考えておくと結構いいと思います。なぜ自分は今、そこのラーメンが食べたくなったのか。食べて、どうしてそこがおいしかったのかっていうところは、頭で因数分解をしていくので、その癖付けはしておくといいかなっていうのは思います。

学生の方々で、全然数字に触れてないんだったら、算数はやっておいた方がいいと思うんです。算数と国語は逃げられませんでした。結局カメラマンになろうとしても、算数って来るんです。

本当に、今文系の人で勉強するんだったら、高校の数学をもう1回勉強したらいいんじゃないですかと思っているくらいです。高校の勉強、数学ができてれば、多分社会で使うものは大体できると思います。後から学ぶこともできますけど。うちの会社にいる方々も、数学に苦手意識持っている人たちは、やっぱりそこに対して理解度が遅い、というか理解しようとしてくれないので。国語と算数は大事なんだって、自分の子どもにも言っています。

どうして、国語が大事だと思われますか?

結局、数字で理解をしていても、人に伝える時にはどうしても言葉にしなければいけなくて。あとは、目的とかコンセプトとかって、最終的には全部言葉になりますよね。なので、目的設定とかの時に、しっかりと言葉が端的に、わかりやすく刺さるようなものを作らないと、なかなかまとまらないです。

頭が良くて数学もできるのはいいんですけど、ただコンセプトってなると、言いたいことを全部書いちゃうから長いんですよ。そうなると、書いてあることは全部正しいけど長すぎてわからないねっていうことになってしまう。あとは、たとえ話、メタファーみたいなことは、どうしても仕事では出てくるので、そういった面でも国語は大事だと思いますね。世代の違う人と話しておくこともお勧めします。

中間管理職を育てたい

個人的に森角さんがやっていきたいことはありますか?

最近、趣味がサウナなんです。趣味がなかったんですけど、やっと普通の趣味が見つかったみたいな感じで。近所の銭湯に行くんですけど、そこは70歳、80歳とかおじいちゃんの先輩方がいて。最初に会うのが裸っていう(笑)。そこから飲みに行ったりとかすると、初めて服を着てみんなで飲んでいたら、不自然なんです。お前、眼鏡かけてんだって。そうそう。かけてんですよねみたいな話をして。

その人たちが、大体60歳定年の世代なので、70歳まで仕事をしていた人たちが二つに分かれていて。1つが職人。もう1つが先生。職人は最後まで仕事があぶれないんだなっていうふうに思いました。あとは美術系のカメラマンの人もいたし、パティシエをやっていて、自分でお店も立てたが、結局最後潰れちゃって、最後和菓子職人、それから先生になった人とか。広告代理店にいた人は、会社が買収されたけども、辞めてから企業のコーチングをやっていたとか。あとは鉱石の研究をやっていて、チェルノブイリ原発事故の際に活躍してした人。3.11の震災が起きた時に、日本にそういうことをやっている人がいなかったから、そこで知識を教えなきゃいけないと、70中盤までその知識を教えていたって言っていましたね。

みんな、70ぐらいまでやっているのは職人・先生っていう、何かしら教えている人たちだったんです。なので、自分も今後若い人だとか、多分今後マネージャーとか、そういう人たちを増やさなきゃいけなくなると思うんですが、そういうところの育成をどういうふうにするかというところは、ちょっと勉強していきたいと思います。自分もそろそろ年齢的にもあれなので、そういうかたちで、自分の今までのやってきたものだとか、知見とかっていうのをどういうふうに表現して、伝えると貢献できるのかなっていうのは、考えているところです。

自分の知見を活かして、人を育てるところに時間を割かれるわけですね。

育てる。そうですね‥育てるって言うとおこがましいんですけど、マネジメントにはじめてなった人って、結構焦げやすい。心が折れやすい人たちが多いなと思っていて。メンバーを折っちゃうこともあるんですけど。頑張りすぎて、マイクロマネジメントしすぎちゃったとか、メンバーに気を遣いすぎて、自分の仕事が溜まりすぎて折れちゃったっていう人たちがいるなというふうに思うので、その時のやり方とか、対応の仕方だとかっていうところは、もう少し伝えられるんだろうなとは思っています。

本に書いてあるものを見ると、どうしても成功した人の話だったり、経営者の話が多いんです。あんまり中間管理職の本ってないんですよね。なので、コーチングとか、あとプランニングの考え方とか、社内政治の通し方とかを、伝えていけたらいいなと思っています。

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