LINE公式アカウントは、企業の情報をユーザーに届ける便利なツールです。しかし、メッセージを配信しても開封されずお困りの運用担当者も多いのではないでしょうか。今回は、LINEの開封率を上げるためのチェックポイントを5つご紹介します。
目次
- 配信する頻度・曜日・時間帯を見直そう
- プッシュ通知やトークリストに表示されるタイトルを工夫しよう
- タイムリーな情報発信をしよう
- ユーザーのニーズに合わせて配信コンテンツを見直そう
- セグメント配信を取り入れよう
配信する頻度・曜日・時間帯を見直そう
配信頻度が多すぎると、ユーザーは通知を煩わしく感じ、ブロックする可能性があります。逆に、少なすぎるとユーザーはアカウントの存在自体を忘れてしまう可能性があります。ユーザーと効果的にコミュニケーションをとるためには、多くても週1回、月に2~4回程度が望ましいです。
配信する時間帯は、ターゲットの生活リズムを考慮することが大切です。企業からのメッセージは、友だちからのメッセージより後回しにされる可能性が高いので、ユーザーがチェックする余裕がある時間に配信しましょう。
例)ターゲット:ビジネスマン
空き時間は通勤時間やランチタイム→7~9時もしくは12~13時に配信
例)ターゲット:主婦
空き時間は午前の家事が落ち着いたころ→13~15時の休憩時間を狙って配信
また、10時00分などピッタリの時間に配信すると、競合アカウントの配信メッセージに埋もれてしまう可能性があります。10時2分などメッセージの配信時間を少しずらすと、トークルーム内で他のアカウントより少し上に表示されるので開封率が高まります。

トークルームの上部に表示させた例
(参照:LINE NEWS公式)
ユーザーの興味や関心に合わせるために、配信する曜日は配信コンテンツとの相性を考えましょう。たとえば、ビジネス関連の情報であれば、週末よりも仕事モードに切り替わった火~木曜日に配信。グルメ、ファッションなど暮らしに関連した情報であれば、比較的気持ちに余裕がある金曜日や土曜日に配信すると読まれやすくなります。
実際に、メッセージの配信時間と曜日は、業界によって異なります。LINE株式会社の調査(2018年7月実施)によると、「グルメ・フード」「ラグジュアリー」「学ぶ・働く」の3つの業界で、特徴的な傾向が見られました。
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「グルメ・フード」業界では、昼食や夕食前である10~12時と16~18時にメッセージ配信のピークがありました。配信曜日は金曜日が多く、食事の計画を立てるタイミングを狙っていると考えられます。
「ラグジュアリー」業界では、就寝前のリラックスタイムである22時台にメッセージ配信のピークがありました。配信曜日は、土日よりも平日の配信が多く、特に週末に向けて増加する傾向があります。これは、週末に向けて購買意欲を高める狙いがあると考えられます。
アルバイトや転職情報、塾などを中心とした「学ぶ・働く」業界では、10~11時に配信のピークがあります。これは、ターゲットである学生やビジネスマンの午前中の空き時間や昼休みを狙っていると考えられます。配信曜日は、ターゲットが仕事モードである平日に集中しています。
プッシュ通知やトークリストに表示されるタイトルを工夫しよう
ユーザーはプッシュ通知やトークリストに表示されるタイトルを見て、メッセージを開封するか判断します。そのため、ユーザーの関心を引くような内容を記載しましょう。ここでは、3つのポイントをご紹介します。
タイトルでユーザーの関心を引くためのポイント
①配信内容を端的にまとめる
プッシュ通知やタイトルを見ただけで配信内容が伝わるようにしましょう。
例)「春の新商品をご紹介!」「夏にぴったりのコーディネートとは?」

(参照:セキスイハイム オーナーサポート公式LINE)
②ユーザーのメリットを記載する
ユーザーは自分にとって得する情報に興味を持ちやすいです。キャンペーンや限定商品、インセンティブがある場合は、タイトル内に記載しましょう。
例)「今だけ!LINE友だち限定クーポンプレゼント」「新作発売記念!先着100名様に豪華賞品」

(参照:出前館 公式LINE)
③呼びかけや問いかけを使う
人は自分に関係することに興味を持ちやすいです。呼びかけや問いかけで、ユーザーの関心や好奇心を引き出しましょう。
例)「あなたは大丈夫?LINEでできる健康チェック」

(参照:SHEL’TTER WEBSTORE公式LINE)
タイムリーな情報発信をしよう
タイムリーな情報発信は、ユーザーの関心が高いため開封率を上げることができます。季節や流行に応じてメッセージ内容を工夫してみましょう。
例)梅雨や台風前の配信案:「雨の日におすすめのコーディネートを紹介!」
猛暑日の配信案:「おすすめのアイスクリームはこちら!」

(参照:LINEギフト 公式LINE)
ユーザーのニーズに合わせて配信コンテンツを見直そう
ユーザーの興味・関心を引くためには、ニーズに合ったコンテンツを配信するのも有効な手段です。データを見る際は、全体の開封率だけでなく、年代や男女ごとに開封率の差がないか確認し、ニーズの違いを探りましょう。主な方法を3つご紹介します。
ユーザーのニーズの探り方
①LINE Official Account Managerで過去配信案の開封率を見る
LINE Official Account Managerの分析画面では、過去配信案の開封率を一覧で見ることができます。

配信コンテンツによって人気に違いがないか、開封率から傾向を分析しましょう。ちなみに平均的な開封率は60%といわれています。
②Web側からLINEのニーズを探る
Webへ送客している場合は、Google Analyticsなどを活用して、LINEからの流入数を確認できます。ただし、LINE公式アカウント経由で流入したユーザーの行動をGoogle Analyticsで計測するためにはカスタムURLが必要です。UTMパラメータという特殊な文字列をURLに追加することで、流入元を分類・特定し計測することができます。
③アンケートを活用する
アンケートの活用で、ユーザー属性や嗜好などをピンポイントで知ることができます。

セグメント配信を取り入れよう
メッセージの配信先を絞りこんで配信することをセグメント配信と呼びます。ユーザーの性別や年齢によって開封率に違いがあった場合は、求めているコンテンツが異なると考えられるため、セグメント配信で配信するコンテンツをそれぞれ出し分けましょう。また、年齢や性別によって話し方の好みやメッセージの受け取り方が異なる可能性があります。そのため、コンテンツを変えるだけでなく、年齢や性別に応じて話し方やトーンを変えることも有効です。
たとえば、ユーキャンの公式LINEでは、「20代・女性+特定の講座ページを見たユーザー」など、ユーザーの行動履歴を元にセグメント配信をしています。これにより、顧客獲得単価を約40%改善することに成功しました。

まとめ:KPIを定めて施策の効果を検証しよう
まずは、チェックリストをもとに自社の公式LINEの課題を洗い出し、改善していきましょう。施策の効果を確かめるために「5月の配信は平均開封率〇%以上達成」といったKPIを定め、PDCAサイクルを回していくことも重要です。1回1回の配信でトライアンドエラーを繰り返しながら徐々に開封率を上げていきましょう。