ネガなイメージの「コンサルティング」
コンサルティングという言葉は、経営(会計、人事、企業戦略など)やITシステムの助言をする人、営業やマーケティングの助言をする人などが行うサービスということで“なんとなく”理解されています。
しかし、昨今ではコンサルタントいう商売があらゆる仕事の肩書に使われているので、なんか“カッコ良く”見えるけどコンサルティングって、そもそもなんだっけ?ということになってはないでしょうか?私たちプランナーも、コンサルタントと言えば採用の際、学生さんの受けは良いのでついつい使ってしまう言葉の一つです。
しかし、仕事の現場においては
- コンサルチックに言うわけではないのですが‥(意味:偉そうにお伝えするわけではないのですけど‥)
- コンサルチックな資料はいらない‥(意味:細かな内容の図版や資料をふんだんに取り入れて、確からしくしてもらわなくていいよ‥)
- コンサルが言うような感じではなく‥(意味:机上の空論ではなくて‥)
‥というように、ややネガな感じで使われることも多いと感じています。これは、あらゆる職業に××コンサルタントという肩書が使われてしまい、コンサルティングサービスの品質が玉石混交になってしまったからではないかと思っています。
コンサルティングとは?
さまざまなコンサルタントの仕事内容を拝見するに、コンサルティングとは困りごとを抱えている依頼主(クライアント)に対するサービスの提供手法の一つであると捉えると、腹落ちしやすいのではないでしょうか?
その手法を単純化すると、コンサルティングとは
(1)現状把握と共有
(2)あるべき姿とその理由の提示
(3)選択肢とその理由の提示
(4)私のおススメとその理由の提示
というステップで一連の並走助言サービス業務を行い、最後は依頼主が自分の責任において意思決定するものと考えられます。

これを美容室などに例えてみると‥
- どんな髪型にしたいか?どんなところに悩んでるか?を聞き、確認したうえで、
- 目的や髪質などを考慮すると、こうしたほうが良いのでは?というあるべき姿を理由を踏まえて提示し
- こういう髪型もあるし、こうもできますよ。前者のメリットはこうだけど、ここは注意しないといけないですよ‥と選択肢とプロコン(Pros.Cons.)を伝え
- 私としては××だから、これがおすすめですね。
‥というような流れになります。
コンサルティングのレベル感
こういったことは、どのサービス業でもレベルの違いはあるものの、普通に実践しているはずです。だから、さまざまな職業にコンサルタントと付けやすい理由にもなっているのでしょう。
ビジネスの上流領域におけるコンサルティングとなると、現状把握と共有するだけでも非常に多くのデータなどが必要になりますし、依頼者の納得感が得られないといけません。あるべき姿と一言にいっても、ありたい姿と現状のギャップから原因を追究し、課題を設定したうえで施策を提示します。
選択肢とPros.Cons.も“言うは易し”ですが、現場の知識や知見が求められますし、さまざまなシミュレーションを経て、依頼者が意思決定できるところまで、分かりやすくプレゼンテーションしなければなりません。もちそん、これらのワークには限られた予算とスケジュールがあるわけです。
そういうハードなワークをこなさなければならないため、専門コンサルタントが存在しているわけです。コンサルティング業務の本質は、どのサービス業も変わらないものという見方をしておいたほうが、マジックワードに惑わされず、自身のキャリアを磨けるでしょう。