校正とは?公開前にチェックするべきポイントを知ろう

目次

  1. 校正の種類を知ろう
  2. 校正しないと、どんなことが起こる?
  3. いつ校正するのか?
  4. どのように校正するのか?(原本編)
  5. どのように校正するのか?(素読み編)
  6. 失敗しない校正のコツ

校正の種類を知ろう

校正には、原本チェックと素読みチェックの2種類があります。原本チェックとは、正となるものと照らし合わせて間違いを見つける校正のこと(例:現在制作中の新商品Webサイトの文字と商品開発の元原稿が合っているか確認する)です。

一方、素読みチェックとは、原稿そのものの間違いを見つける校正のこと(例:ブログを公開する前に日本語としておかしくないか確認する)です。

校正する対象は文字だけではありません。画像やデザインも校正する必要があります。今回は、「文字校正」「画像校正」「デザイン校正」について、特に注意が必要な項目をお伝えします。

特に注意してチェックするべきポイント

校正しないと、どんなことが起こる?

校正は、制作物の品質を担保するのに欠かせないステップです。校正ミスがあると、さまざまなトラブルが発生します。

校正ミスがあると、どんなことが起こるのか?「文字」「画像」「デザイン」それぞれにおいて見てみましょう。

「文字」校正ミスの例

すでに印刷され、配布されてしまったリーフレットに掲載されているURLのドメインが間違っていた場合にはどうでしょうか?ディレクトリのミスであれば、サーバのリダイレクト処理で対応できそうですが、ドメインが異なっている場合ですと、わざわざ誤ったドメインを購入し、サーバを立てて、リダイレクト設定をしなければなりません。

この場合には、謝罪はもちろん、ドメインの購入費やリダイレクト設定の工数などを負担することになります。しかも、誤ったドメインがすでに使われているものであれば、かなり重大な問題になってしまいます。

「画像」校正ミスの例

制作するWebサイトの画像にミスがあった場合、修正費用、公開遅延のお詫びなどが必要になります。ありがちなのが、修正指示の反映漏れです。

特に、複数の画像についての修正指示があった場合、バージョン管理がきちんとできていないと、一部の画像が先祖返りを起こしたり、キャプションと画像の組み合わせを間違える原因になりますので、注意してください。

「デザイン」校正ミスの例

Webサイトのデザインが間違っていた場合は、どうでしょうか。最近、百貨店のWebサイトで、フランス国旗(縦縞)が使われるべき部分に、オランダ国旗(横縞)が使われていたことがありました。校正は、少しでも疑わしい部分があれば必ず調べるようにしましょう。

いつ校正するのか?

Webサイトの場合、校正するタイミングは①制作物の初稿(コーディング前のデザインカンプ時)と、②コーディング後2回はマストです。コピーを書いた、デザインが上がってきた…などのタイミングでは、自分で校正しておくのは言うまでもありません。

そのうえで、特にコーディング後は絶対に複数人での校正を行う必要があります。1人のチェック(特に自分が書いたものなど)だけでは、どうしても客観的になれないからです。効率的に校正ミスを防ぐためにも、複数人での校正をしましょう。

どのように校正するのか?(原本編)

原本チェックで大切なのは、「原稿と不一致の部分を見つけること」です。原稿と原本を用意し、隣に並べ、一つひとつチェックしていきます。

用意するもの

  • 印刷した(または、PDF化した)校正紙と原稿→校正担当者の名前を書いておきます。
  • ペン→人によって線の色を変えます。

原稿(左)と校正紙(右)

文字校正

正しい表現が使われているか確認します。まず、固有名詞・URL・見出しが間違っていないかどうかを見ます。自分で制作物のURLを打ってみる、QRコードを試してみる、声に出して読むなどの方法が有効です。

次に、表記にユレがないかどうかを確認します。送り仮名の有無などは表記ユレが起こりやすいため、校正をしながらチェックリストを作ることをおすすめします。

最後に全体を通して読み、用法違いの日本語がないかどうかを確認します。間違った表現が使われていると、執筆者・話者の知性が疑われることになりますので、少しでも迷ったら辞書を引いて(辞書サイトなどを検索して)確かめましょう。

画像校正

正しい画像が使われているか確認します。まず、画像の版権元から許諾が取れているかどうかが重要です。モデルの版権切れや契約書と使用用途が異なる場合などがあると、モデル事務所やカメラマンからの訴訟に発展しかねませんので、特に注意しましょう。

次に、正規の写真が使われているかどうかを確認します。画質や画角など詳細なポイントもチェックしてください。また、画像の差し替え指示があった場合には指示が全て通っているかも確認します。差し替えの前後での違いが分かりづらい場合は、詳しい人にダブルチェックしてもらうようにしましょう。

デザイン校正

デザインガイドラインに沿っているかどうか確認します。たとえばWebサイトの場合ですが、CV(コンバージョン)時のボタンの色や形が正しいかどうかチェックします。特にマウスを合わせた時の挙動は、実際の画面で確認しましょう。

見出しの大きさについては、同じ階層の他のページと見比べるなどして確認します。指定以外のフォントが使われていないか、フォントが混ざっていないかどうかも注意が必要です。

どのように校正するのか?(素読み編)

素読みチェックで大切なのは、「表現としておかしい部分を見つけること」です。印刷またはPDF化した原稿を用意し、チェックしたところに印をつけながら進めるのがおすすめです。

文字校正

日本語として適切かどうかを確認します。まず、タイトルと本文をチェックしましょう。タイトルや見出しは意外と誤字脱字を見落としがちなので注意します。次に、おかしな表現や差別表現がないか確認します。

明らかな差別表現を使っていない場合でも、文脈によっては差別に繋がることがありますので、全体を通してチェックしましょう。最後に、主述関係を確認します。声に出して読むと、おかしなところを見つけやすいです。

普段から正しい日本語を意識しよう

こちらの書籍が参考になりますので、ご興味のある方は読んでみてください。

画像校正

不適切な表現がないかどうかを確認します。まず、キャプションと画像がかみ合っているかどうかを確かめます。画像を差し替えた場合などは特に注意が必要です。

次に、写真への映り込みを確認します。撮影した写真に他社の看板、他社が版権を持っているキャラクター、公開してはいけないパソコンの画面などが映っていると使えませんので、念入りにチェックします。

そして、彩度や明度(明るすぎる・暗すぎる・色味がおかしいなど)を確認します。色が間違っていると再印刷などの対応になります。

デザイン校正

デザインが崩れていないかどうかを確認します。画像の校正でも色についての確認をしましたが、ブランドカラーとズレがないかもチェックしてください。

次にアライメント(オブジェクトなどのデザイン要素)が整っているか確認します。意図しないズレがないかよく注意するようにしましょう。

最後に、トーンマナーが適切かどうか確認します。堅いイメージの企業なのに柔らかすぎるデザインになっているなど、ブランドイメージを損なっていないかどうかがポイントです。

失敗しない校正のコツ

見たところはチェックマークを付けます(エビデンスになるため)。校正をする時には下記の3点を意識するとうまくいきやすいので、参考にしてください。

1つの作業を機械的に行うこと

原本校正と素読み校正とを別々に行う、タイトルだけ校正する、ノンブルだけ校正する、画像だけ校正する、URLだけ校正する、注釈だけまとめて校正する‥など同じものをまとめて校正するとミスが起こりにくいです。

複数回にわけて、複数人で校正を行うこと

最後の校正は必ず、2人以上で行いましょう。1人がチェックした校正紙を別の人が見てチェックすると、バイアスがかかりやすいので、2人別々の校正紙を使って行うことをおすすめします。

全体の文脈も確認すること

たとえば画像とキャプションの対応が正しかったとしても、違う商品の画像とキャプションが入っていては本末転倒です。「木を見て森を見ず」にならないよう、必ず最後に、校正者モードから読者モードに切り替えて一通り目を通しましょう

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