【プロンプトあり】ChatGPTでロジックツリーをつくってみた

1|上手にロジックツリーをつくれない理由

ロジックツリーとは、さまざまな事象の論理関係をラダー状(階段)の構造で表現したものです。原因究明のWhyツリー、課題解決のSoHowツリー、要素分解のWhatツリーの大きく3種類があります(こちらの記事で詳しく紹介しています)。

複雑な問題の理解~解決策を導き出すまでの過程を、強力にサポートするロジックツリー。プランナー必須のツールと言えますが、若手プランナーがうまく活用できない様子が散見されます。なぜなのでしょうか?

原因究明のWhyツリーを例に取り上げてみましょう。Whyツリーの作成では、解決したい問題について「なぜ?」を繰り返すことで、右方向に原因を深堀していきます。その際、縦方向でMECE(ヌケモレ・ダブりなく)を意識して、幅を広げていくことがポイントです。これにより、多角的な視点を持ちつつ根本的な原因を探っていくことができます。

各階層の要素が揃っているので、網羅的に根本の原因を探っていける

しかし、若手プランナーの中には、深堀に苦労したり、幅を正しく広げられなかったりして、思考が止まってしまう人もいます。

これは、商品やターゲットの理解が浅いため、仮説ベースで原因を考え出せないことが要因のひとつです。また、深堀で原因の数を出せても、主観的で独りよがりになっていたり、原因と結果の関係性を見誤っていたりすることもよくあります。

各階層の要素が揃っていないので、論理関係の破綻が出てくる

2|ChatGPTでロジックツリーを作成してみる

シンプルに見えてテクニックを要するロジックツリー作成ですが、生成AIのChatGPTを活用すれば、作成のハードルを下げられるかもしれません

本記事では「Webのオウンドメディアへの訪問数が少ない」という問題を例にとり、ChatGPTによってWhyツリーの作成を試してみました(有料版ChatGPTにてGPT-4を利用しています)。

→結果のまとめ(PDF)は、こちらからダウンロードできます。

テクニック|ChatGPTの結果をXMINDにコピペする方法

ロジックツリーを作成する際、我々プランナーはXMINDというツール(ダウンロードはこちら)をよく使います。ChatGPTの出力結果を、そのままXMINDに反映できる方法は以下の通りです。

①ChatGPTのプロンプトに「opml形式で出力して」という指示文を付け加える。

②ChatGPTで出力されたopmlのコードを「メモ帳」などのテキストエディタにコピー&ペーストする。

③「任意のファイル名.opml」で保存する。

④XMINDにてファイル→インポート→OPMLで、先ほど保存したファイルを選択する。

検証1|問題のみを提供

手始めに「Webのオウンドメディアへの訪問数が少ない」という問題のみを提供し、Whyツリーを作るよう指示しました。このプロンプトでは良い出力を得られず、要素の不足や不揃いで実用レベルに達しているとは言えません。

プロンプト

「Webのオウンドメディアへの訪問者数が少ない」という問題の原因について、Whyツリーを作成してください。opml形式で出力してください。

検証2|MECEを追加

今度は検証1のプロンプトに「MECEを意識して」と、指示を追加しました。先ほどよりも階層ごとの要素が揃い、理解と納得がしやすくなりました。ただし、教科書的な内容も多く、少し物足りなさを感じます。

プロンプト

「Webのオウンドメディアへの訪問者数が少ない」という問題の原因について、MECEを意識してWhyツリーを作成してください。opml形式で出力してください。

検証3|階層数の設定を追加

より網羅的な結果を得ようと、階層の深さと個数を指定しました。無理やりにでも要素数を出してもらった結果、回答の具体性がかなり向上しました。その分、Webサイトにとどまらない原因も多く出てきているので、改善を見据えるともうひと工夫できそうです。

プロンプト

「Webのオウンドメディアへの訪問者数が少ない」という問題の原因について、MECEを意識してWhyツリーを作成してください。

<条件>
・第4階層まで作成してください。
・第2階層を5つに設定してください。
・第3階層を各第2階層に対して3つずつ設定してください。
・第4階層を各第3階層に対して3つずつ設定してください。
・opml形式で出力してください。

検証4|原因に条件を追加

最後に「Webサイト内で解決できる原因に絞る」という指示を追加し、原因の範囲を制約しました。まだ一部でSNSなどのWebサイト外の原因が残りますが、③に比べ改善につなげやすい原因でまとまるようになりました。

プロンプト

「Webのオウンドメディアへの訪問者数が少ない」という問題の原因について、MECEを意識してWhyツリーを作成してください。

<条件>
・Webサイト内で解決できる原因に絞ってください。
・第4階層まで作成してください。
・第2階層を5つに設定してください。
・第3階層を各第2階層に対して3つずつ設定してください。
・第4階層を各第3階層に対して3つずつ設定してください。
・opml形式で出力してください。


プランナー目線で見ても、ChatGPTは実用的なレベルでロジックツリーを作成できていると感じます。最終的には商品やプロジェクトに合わせて、人の手で精緻化する必要がありますが、初期段階でのアイデア出しや基本構造の作成において、プランナーを強力にサポートしてくれそうです。

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