クリエイター・エコノミー

クリエイターの経済圏が拡大

クリエイター・エコノミーとは、個人のクリエイターが自ら収入を得ることにより形成された経済圏のことです。2000年代後半以降、Instagramなどのメディアプラットフォームが続々と登場し、誰もがクリエイターになれる時代になりました。

しかしクリエイターの急増に伴い、YouTube動画などの広告単価が下落。また、影響力の大きい名のある一部のクリエイターに企業案件が集中してしまい、知名度の低いクリエイターが収益を得にくい収益構造が課題となっていました。

クリエイターが直接収益を上げられる時代に

近年では、多種多様なプラットフォームが増え、クリエイター・エコノミーの世界市場規模は約1,042億円(2021年)にも拡大しました。日本では、「クリエイター・エコノミー協会」が2021年に設立され、クリエイターのさらなる活躍促進と権利の保護が期待されています。現在、広告以外の方法でクリエイターが直接的に収益をあげる方法は、大きく2つあります。

1|ユーザーにコンテンツを直接販売する「note」

クリエイターが自身の知識や経験を記事化し、ユーザーに直接販売します。テキストによって構成された記事のみならず、イラストや画像を入れ込み、販売することもできます。

例:会員制ブログの一つである『note』

有料記事を販売する場合、プラットフォーム利用料として、(コンテンツの売上金額―事務手数料)×10%の額を支払う必要がある。 

2|ユーザーから直接支援を受ける「17LIVE」「Spotify」

投げ銭と呼ばれるシステムを通じ、ユーザーからお金を直接受け取れます。リアルタイムで動画配信を行うLIVE配信やポッドキャストなどの音声配信プラットフォームでは投げ銭が盛んに行われています。

例1:誰もがLIVE配信を行える『17LIVE』

一般的な配信者には1.3~3割程度のロイヤリティが還元される。

例2:お笑いや音楽など幅広くポッドキャストが配信されている『Spotify』

2023年までは手数料ゼロで配信を行うことができ、収益は全額配信者に還元される。  

プラットフォームの特徴を最大限に活用する企業事例

新規プラットフォームを情報発信の場として利用する企業も現れています。

1|noteを活用して、若い読者層の獲得に成功

ヤマハ発動機では、今までマリンファン(海を愛する人達)の方を対象にメールマガジンで配信していた内容を2021年7月からnoteで発信し始めました。

船を作るヤマハ発動機が海にまつわるテーマで情報を発信
https://note-marine.yamaha-motor.co.jp/

noteでは、フォローや「いいね」機能により、ユーザーの反応が伝わりやすいという特徴があり、「いいね」の記録が残るため、記事の評判を可視化することができます。

メールマガジン配信時には、読者層の高齢化やお客様とのコミュニケーションの取りにくさが課題となっていましたが、noteに移行したことにより、若い読者層が増加。さらに、300件以上「いいね」がついた記事もあり、読者のリアクションもわかるようになりました。

2|LIVE配信を活用し、リアルタイムで伝わるファンの熱量

スポーツチームとファンをつなぐ場を提供するエンゲート株式会社は、スポーツイベントの新たな応援の形として投げ銭サービスを展開。ユーザーはチームや選手を応援する気持ちを投げ銭というかたちにして、直接的に送ることができます。

阪神タイガースのイベントではチャットを通して選手とコミュニケーションが取れる
https://engate.jp/communities/hanshintigers

LIVE配信プラットフォームでは、ユーザーの反応やコメントが、配信されている試合動画上に表示されるため、発信者側はリアルタイムに熱量の高さをキャッチできるという特徴があります。

実際に、阪神タイガースの試合では、タイガースの勝利により画面上に応援コメントや投げ銭が多くあげられ、選手やチームに支援金が届きました。

3|ポッドキャストでの“ながら聴き”がブランド認知に効果

三越伊勢丹は、バレンタインイベントに合わせて、期間限定でポッドキャストを配信。チョコレートのトレンド情報や、ショコラティエやバイヤーを迎えてのトークなどを届けました。

全8回にわたり、チョコレートに特化したトークを音声配信
https://podcastranking.jp/1546696327

音声配信は、ユーザーが“ながら聴き”ができるため、情報を気軽に取り入れやすいという特徴があります。また、アメリカの広告会社「Midroll media」が行った調査(2016)によると、ポッドキャスト公告による消費者のブランド認知は、他のデジタル広告を使った場合よりも4.4倍高くなると判明しています。

三越伊勢丹のポッドキャストでは、番組内で紹介した商品をリスナーが購入できるよう、テキスト形式のアーカイブ記事を残し、後から記憶に残ったチョコレートを見返して購入できる仕組みづくりをしています。

企業がクリエイター向けプラットフォームを活用する3つの理由

このようなプラットフォームを企業が活用する理由は、大きく3つあります。

  1. 好きな形態ですぐに発信できる
    自社でメディアを仕組みからつくりだすよりも早い立ち上げができます。プラットフォームで配信できるコンテンツもブログ、動画、音声など多様化しているため、企業が伝えたいメッセージをより分かりやすいかたちでユーザーに届けられます。
  2. 集客しやすい
    既に各プラットフォームを好んで利用しているユーザーに向けてアプローチできます。特に最新のプラットフォームのユーザーは若年層が多いため、若い世代に企業の新たな一面を認知してもらうきっかけになりやすいでしょう。
  3. ファン化しやすい
    コメント機能を通してユーザーと相互コミュニケーションをとることができます。ユーザーは企業に対して親しみを持ちやすくなり、ファン化につながりそうです。

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