NFTアート

デジタルアートの価値が守られる時代に

アート作品は、希少性が認められることで値打ちが上がります。そのため、データが手軽に複製できてしまうデジタルアートは、あっという間に価値が下がってしまうことが、これまでの課題でした。しかし、複製不可能な「NFTアート」が登場したことで、2021年頃からデジタルアート市場が急速に拡大しています。

NFTと紐づけられたデジタルアートの誕生

NFTとは「ノンファジブル・トークン」の略語。「ノンファジブル」とは、代替不可能という意味で、一つひとつが唯一無二であるということを表しています。NFTにおける「トークン」とは、改ざんすることが困難なブロックチェーンという仕組みを利用したデジタルデータのこと。

つまり、NFTという仕組みを用いれば、デジタルアートのオリジナル作品と、その他のコピー作品を区別できるというわけです。これにより、デジタルデータが固有のものであることを証明できるようになりました。

こんなところにもNFTアート

NFTアートは自治体や企業でも活用されています。2つの事例をご紹介します。

1|NFTアートで地域活性化

一般的にアーティストが描いたNFTアートは、マーケットプレイスで買われるものでしたが、北海道上士幌町の返礼品に、日本ではじめてNFTアートが登場しました。上士幌町にて実施された日本最大級のドローンショーの映像をNFT化して、届けます。

返礼品のNFTアートを届ける仕組み

  1. ドローンショーを撮影
  2. 撮影した映像をNFT化
    NFTマーケットプレイスに出品し、NFT化を行います。
  3. 動画のURLを送付
    ふるさと納税に申込みをした人へ、NFTマーケットプレイス内でデータを送ります。
  4. 申込み者はURLを読み取り、動画を閲覧

真冬の上士幌町の夜空を300機のドローンが彩る様子
https://www.drone.jp/news/2022050617205452292.html

このほかにも、新潟県長岡市の山古志地域ではNFTアートの販売収益を地域づくりの資金源にするなど、地域活性化のためにNFTアートを利用する例が見られています。

2|NFTアートを現実世界へ

2022年5月、三井不動産は東京・日本橋にデジタルアート専用のギャラリー‟UN/BUILT”を開設し、NFTアートを展示します。リアル空間で展示された作品を含む約20点のNFTアートは、オンラインから購入することも可能です。

リアル空間で展示されるデジタルアート
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0408_01/index.html

徳島県の「鳴門美術館」でもNFTアートがリアル展示されるなど、今後NFTアートを利用したリアルイベントは増えていくと予測できます。リアルな展示会やイベントでデジタルアートに触れてもらうことで、参加者の作品への関心も高まるでしょう。

より没入感のある体験を届けるNFT作品

映像や絵などのNFTアート以外にも、服や家など立体的なデザインや体験を伴うNFT作品が販売されています。

1|リアルではできないデザインを再現したスニーカー

Nike初のNFTスニーカーコレクションが、オークションにかけられ、約4,000~9,000ドル(約50~125万円)で売買されました。マイケルジョーダンが実際に使用していたシューズをバーチャル上で再現するなど、デジタル上だからこそできるNFT作品の販売を増やしています。

Nike初のメタバース・シューズコレクション「CryptoKicks」
https://realsound.jp/tech/2022/05/post-1021264.html

2|NFT作品の力で、火星に移住体験

デジタル住宅が50万ドル(約5,500万円)を超える価格で販売されました。アメリカ在住の購入者は、暗号通貨と引き換えに「マーズハウス(MarsHouse)」と名付けられたNFT作品の3Dファイルと音楽が流れるビデオクリップを受け取りました。この3Dファイルは購入者のメタバースにアップロードしてアバターが住む家として使用できます。

仮想空間上の火星に建てられたデジタル住宅
https://www.businessinsider.jp/post-232551

このようにデジタル上では、宇宙空間に家を建てたり、現実では表現できないデザインを作り出すなど、商品は自由自在に展開できます。作り手は、デジタルの特性を活かしたデザインを制作し、NFT化して販売。買い手は、その商品の価値の高さに惹かれて購入をします。リアルでは再現不可能な体験を売れることが、NFT作品の強みでしょう。

サービス提供面にもビジネスチャンス

今後も活用が期待されるNFTアートですが、現在さまざまな課題が指摘されています。その一つが取引における信頼性の問題です。制作者に無許可でNFT化したデジタルアートの販売が、世界中で散見されています。そのため、NFT化されていても制作者の真贋を見極めることが困難になりそうです。

株式会社TRiCERAは、制作元の信頼性を保証するためのサービスを展開しています。同社は、アーティストとユーザーの取引の信頼性を担保する機関として、NFTアートを仮想通貨で購入できるプラットフォームを運営中です。

NFTアートは発展途上であるため、課題点も多く存在します。
しかし、数多くの課題を解決する仕組みづくりにもビジネスチャンスが広がっているのかもしれません。

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