ナイトタイムエコノミー

ナイトタイムエコノミーとは?

ナイトタイムエコノミーとは、夜間に行われる経済活動を指す言葉です。地域経済の拡大を後押しする重要なビジネステーマとして話題となっています。

観光産業へのメリット

ナイトタイムエコノミーは、現在、主に観光産業の分野で取り入れられています。なぜなら、観光産業に2つのメリットをもたらすからです。

メリット1|インバウンド消費を拡大できる可能性がある

国土交通省の「ナイトタイムエコノミー推進に向けたナレッジ集(平成31年3月)」によると、近年、訪日観光客(=インバウンド)は増加しているものの、その消費額は1人当たり15万円程度で推移しており、頭打ちになっていることが指摘されています。

そこで、ナイトタイムエコノミーの活性化が、訪日観光客の消費拡大のポテンシャルを持つとして注目されています。そのためには、ナイトタイムに体験できるコンテンツを増やす必要があります。

同ナレッジ集によると、外国人約1万人を対象としたWEBアンケート調査の結果、訪日旅行中のナイトタイムコンテンツ体験者の割合は、海外より低くなっています。

日本と海外で体験したコンテンツに関するアンケート結果
https://x.gd/m61YX

また、ナイトタイムコンテンツの満足度においても、日本国内での満足度は海外より低くなっています。

日本と海外で体験したコンテンツの満足度に関するアンケート結果
https://x.gd/m61YX

以上のことから、国内でもナイトタイムのコンテンツを充実させることで、訪日観光客の消費機会を増やせるのではないかと考えられています。

メリット2|オーバーツーリズムの解消

ナイトタイムエコノミーは、オーバーツーリズム(=観光客による諸問題)の解消にも貢献することが期待されています。

例えば、ナイトタイムエコノミーは、観光地の混雑問題を解消します。日中だけでなく、ナイトタイムにも楽しめるコンテンツを充実させることで、観光客が観光地を訪れるタイミングが分散され、混雑解消が可能になると考えられています。

以上、主な2つのメリットから、ナイトタイムエコノミーは今後の観光産業に取り入れていくことが推進されています。国や自治体もナイトタイムエコノミーに注目しており、例えば、東京都港区では「ナイトタイムエコノミー補助金」の制度を利用することも可能です。

ナイトタイムエコノミーに取り組む国内企業の事例

では、実際のナイトタイムのコンテンツとは、どのようなものでしょうか。国内の先行事例を見てみましょう。

事例1|チームラボ ボタニカルガーデン

プロジェクションマッピング技術を活用したアート体験の施設を展開するチームラボ。豊洲の展示場は、多くの訪日観光客が来場することで有名です。

そのチームラボが、大阪市に常設している「ボタニカルガーデン」は、まさにナイトタイムを楽しむための施設です。

ボタニカルガーデンは、植物園を利用したアート体験コンテンツで、日中は通常の植物園として運営されています。午後6時より、日が落ちた植物園をプロジェクションマッピングで照らすことで、ナイトタイムならではの植物×光のアートを体感することができます。

ボタニカルガーデンの作品「ツバキ園の呼応する小宇宙」
https://www.teamlab.art/jp/e/botanicalgarden/

事例2|星野リゾート 西表島ホテル

国内で109年にわたり宿泊施設を営む星野リゾートは、オーバーツーリズムの解消を目指したナイトタイムコンテンツを企画しています。

例えば、「星野リゾート 西表島ホテル」では、ジャングルナイトウォーク、ホタル観賞ツアーなど夜間ならではの観光地の楽しみ方が提案されており、観光客の訪問時間を分散させることが可能です。

ジャングルナイトウォークのイメージ画像
https://www.teamlab.art/jp/e/botanicalgarden/

訪日観光客の需要を捉えたナイトタイムコンテンツ

今後、ナイトタイムコンテンツを新しく企画する場合、訪日観光客の需要から考えることが重要です。例えば、観光庁の「訪日外国人消費動向調査(2023年4~6月期の2次速報値)」などが活用できます。

前段で紹介した国内事例と、消費動向調査の結果を照らし合わせてみましょう。

チームラボのボタニカルガーデンは、訪日観光客が訪日前に期待していた「自然・景勝地観光(51.6%)」「美術館・博物館等(26.2%)」カテゴリのナイトタイムコンテンツだと言えます。

また、星野リゾートのジャングルナイトツアーなどは「自然体験ツアー・農漁村体験(7.5%)」の需要を捉えたコンテンツです。

外国人観光客が訪日前に期待していたことに関するアンケート結果
https://x.gd/sN6zl

このように、国や自治体が発表しているデータを活用し、訪日観光客の需要とナイトタイムを掛け合わせたコンテンツを考えることで、観光業におけるナイトタイムエコノミー推進を有効に進めていくことができると考えられます。