アキ活サービスのいろいろ
「空いた時間」「空いた空間」などを提供するサービスや取り組みは、「アキ活」といわれ近年盛り上がりを見せています。周知のように、いろいろなマッチングやシェアリングサービスが登場していますが、最近の例では‥
●タイムチケット
「アキ時間がある人」と、その「アキ時間内でその人のスキルを利用したい人」とをマッチング
●Anyca(エニカ)
「車を使わない時間」がある人と「その時間に車を使いたい人」とをマッチング
●ADDress(アドレス)
「空き家所有者」と「空き家を利用したい人」とをマッチング
‥などがあります。

アキ活市場伸長の理由
マッチング/シェアリングサービスの市場規模は年々拡大傾向にあり、2014年度には約233億円だった国内シェアリングエコノミーサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、2017年には760億円を超え、2018年にはさらに32.2%増加した1,012億8700万円と拡大し続けています。

※調査におけるシェアリングエコノミーとは、不特定多数の人々が、インターネットを介して乗り物 ・スペース・モノ・ヒト・カネなどを共有できるサービスを示す。また、著作物は対象外とする。
アキ活サービスの市場規模が拡大しているのは、生活者の消費傾向の変化―「モノ消費」から「コト消費」への移行(例えば、高級車を所有したいという所有欲求よりも、一度でいいから運転してみたいという体験欲求へ)―が要因のひとつにあると考えられます。近年、モノを所有する「モノ消費」に代わり、モノを通した体験に価値を置く「コト消費」の機運が高まりつつありますが、そういった生活者ニーズの変化にアキ活のサービス形態がマッチしているというわけです。
今後は「コト消費」のみならず、例えば、恋人と乗る前提で車をレンタルすれば、ロマンチックなサービスをしてくれる車のアキ活など、「エモ消費:精神的な満足感を重視する消費傾向」や「トキ消費:ある特定の場所や時間でしか楽しめないことを求める消費傾向」要素のあるアキ活サービスが流行するかもしれません。
増えるB2Bのアキ活
アキ活は個人間の貸し借りだけでなく、企業のアキ活を個人や企業が利用する例もあります。例えば「カラオケの鉄人」は、客足が遠のく平日昼間の「アキ部屋」をビジネスマンが営業先での作業場や会議室として利用できるサービスを行っています。また、朝日新聞販売所(ASA)の配達員がアキ時間に行う、宅配ポータルサイト「出前館」の出前の宅配代行業や、セラミックス大手の日本特殊陶業が手掛ける設備・計測器の企業間での貸し借りを仲介するサービス「シェアリングファクトリー」は、B2Bにおけるアキ活といえるでしょう。
企業間のアキ活は、自社サービスの認知の拡大や、顧客の離反防止といったメリットが予期でき、今後もますます拡大していくと考えられます。