インカムリッチとは?
インカムリッチとは、株式会社博報堂が定めた言葉で、世帯年収1500万円以上の生活者のことを指します。
現在は人口全体の約2%にとどまりますが、共働き世帯の増加や大企業を中心とした賃上げの影響により、今後拡大していくと考えられます。
そのような中で、どのようにインカムリッチに向けてアプローチしていくのかを検討することは、多くの企業にとってますます重要になってくるのではないでしょうか。
インカムリッチの消費行動・価値観
一般世帯と比較した、インカムリッチの消費行動と消費意識を紹介します。
日経クロストレンドの記事「高年収「パワーカップル」の消費実態 一体何が違うのか、データで検証」によると、消費行動としては以下のようなものがあげられます。
- 日頃の買い物では、低価格のものを狙って安いスーパーやドラッグストアにわざわざ足を運ぶことは少なく、近場にあるコンビニで済ませる
- 一般世帯の約17倍もの金額をタクシーでの移動に使う
- フードデリバリーサービスを頻繁に利用する
コンビニで買い物をするよりもスーパーなどで買った方が安く済みますし、タクシーを利用するよりも電車やバスを利用した方が経済的です。デリバリーサービスも非常に便利ですが、自炊した方がお財布にやさしいことは火を見るよりも明らかでしょう。それでも、一般世帯の人々と比べるとこのような行動が多くみられることが、インカムリッチの消費行動の特徴です。
では、インカムリッチのもつどのような意識・価値観がそのような消費行動を促しているのでしょうか。
博報堂富裕層マーケティングラボが行った「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」によると、一般世帯と比較して特徴的なインカムリッチの消費意識としては、以下の3点があげられます。
- タイムパフォーマンスを意識した生活をしたいと考えている人が多い
- 時間やゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない
- 家事代行や育児サポートの外注サービスは積極的に利用するべきだという意識が強い
忙しい生活の中で、「面倒だな」「こんなことする時間があったら…」と思うようなことに費やす時間をなるべく減らしたいと考えていることがわかります。この傾向を、「生活にかかる負担(マイナス)を減らしたい」傾向と名付けましょう。
インカムリッチに人気のサービス
調理済みおかずの定期宅配サービス「デリOisix」は、そのような価値観を持つインカムリッチの間で人気を集めています。
食事が自宅まで届くので買い物に行く必要がなく、「今日は何を食べようか、何を作ろうか」と悩むこともありません。調理する時間だけでなく、買い物にかかる時間や食事の準備に悩む時間すら取り除いてくれるという、「生活にかかる負担(マイナス)を減らしたい」というニーズに合った圧倒的な時短効果が、人気の秘密ではないでしょうか。
その他にも、「生活にかかる負担(マイナス)を減らしたい」というニーズを持った富裕層向けのサービスとして以下のようなものもあります。
- 家事代行・家政婦サービスLOBBY
専任スタッフが家事を代行するサービスです。毎回決まった内容を代行してもらうことができるのはもちろんのこと、顧客のその時々のリクエストに合わせてサービス内容をカスタマイズできます。
- LUXUARY CARDパーソナルコンシェルジュ
クレジットカードLAXUARY CARDに付随する、顧客の様々な要望に応えるコンシュルジュサービスです。24時間、電話・メール・LINEで連絡でき、レストランの予約やホテルの手配、航空券の手配など幅広いリクエストに対応しています。
より効果的な訴求の仕方
「面倒からの解放」がインカムリッチを惹きつけるコンセプトであることはこれまでに述べたとおりですが、彼らの心をより効果的に掴む訴求方法にはどのようなものがあるでしょうか。
たとえば、子どもの教育に熱心なインカムリッチに向けたサービスも広がりつつあります。やる気スイッチグループホールディングスと野村不動産L&Sが、子どもを預かるだけなく、英会話やスイミングなどもできる幼児園を開園しました。
仕事と育児を両立することは、時間的な負担が大きく、非常に大変です。子どもを預かってくれる場所と習い事をする場所を1か所にまとめることで、その負担を軽減できます。これは、「生活にかかる負担(マイナス)を減らしたい」というニーズと、「生活をより豊か(プラス)にしたい」というニーズを同時に満たすサービスです。
実際に、博報堂の「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」によると、インカムリッチは、自分の人生を充実させたいという想いが人一倍強いことがみてとれます。

インカムリッチは、やりたくないことに費やす時間を減らしたいと考えているだけでなく、捻出した時間を、家族と過ごすことや、趣味・自己研鑽といった、「自分がやりたいこと」に積極的に使っていきたいという想いが強いのです。わずらわしさからの解放という「マイナスをゼロにする」サービスに加えて、解放されて自由に使えるようになった時間で、その人の求めることができるようになるという「ゼロからプラス」を生み出していくような訴求が有効だといえるのではないでしょうか。そのようなビジョンをどのようにしてターゲットに伝え、共感してもらえるかが重要なポイントになるでしょう。










