ESG

ESGとは?

ESGとは、企業の事業活動によって影響を与えうる社会的課題に、企業が本事業を通して解決を目指す際の「指標」のことです。環境(Environment)、社会(Society)、統治(Governance)の3つに分けられます。

ESGの課題と取り組み例
ESGの課題と取り組み例

ESGの例(花王)

花王は、2019年4月にESG戦略としてキレイライフスタイルプランを発表しました。資料によると、2030年までに達成する消費者・社会・地球環境の3つのテーマで構成され、19の目標を設定。例えば、プラスチックごみの海洋汚染を受け、「環境に負荷をかけにくい容器の年3億個流通」なども。目標達成のために、2018年11月に公表した新技術「エアインフィルムボトル」を採用し、再生プラスチックを100%使用するほか、容易にリサイクルが可能なプラスチック容器を使用することを盛り込んでいます。

花王が発表したESG戦略
花王が発表したESG戦略 花王が発表したESG戦略「キレイライフスタイルプラン」。
環境、社会、統治の3つのフィールドの課題を設定し、
花王の事業に絡めながら目標設定と行動方針を決めている。
出典:花王(2019). Kirei Lifestyle Plan-花王のESG戦略- (参照2019/7/3)

ESGが注目される背景

ご存知のようにESGが注目される前から、国内外の大手企業は環境や人権などの社会的課題については、CSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)として取り組んできました。しかし、企業価値を決めるのはあくまで営業利益などの経済的な要素であったため、CSRは企業広報(PR)としての立ち位置が強かったのが実情でした。

ところが、近年CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)=企業は社会のニーズに対し「本事業によって価値を創造すること」で応えることで、利益を生み、結果として社会と企業の双方に価値を生み出すという考え方、が普及。その指標としてESGが使われるようになってきました。

さらに2006年に、国連がPRI(責任投資法則)を策定し、機関投資家に向けて責任のある投資を呼びかけたことがきっかけで、それまで投資判断の基準とされていた企業の利益に加え、「社会的な取り組みへの積極性やその充実度」(→CSVですね)にも目が向けられるようになりました。そのCSVの企業ごとの指標を提示するものとしてESGが使われ、「ESG投資」という言葉も使われるようになったようです。

SDG’sとの違い

ESGと似た扱いをされるコンセプトとして2015年に国連サミットで策定されたSDG‘s(持続可能な開発目標)がありますが、似て非なるものです。企業活動に関連し、解決されるべき社会課題を3つの観点で分類したESG に対し、SDG’sは、持続可能な社会の実現を目指す上で達成されるべき社会課題に、期限と具体的な17の目標を示した国際的な指標となります。

もちろん国家的な取り組みの中に、企業活動も入ってくるわけですので、企業はSDG’sを無視することはできません。同じ枠組みの中で、ステークホルダーに語っていく必要があり、このあたりは企業広報、IR担当者だけにとどまらず、マーケティング担当者の腕の見せ所にもなるでしょう。

ESGとSDG'sのカバー領域
各企業が設定した目標に事業を通して取り組むESGに対し、
SDG’sは国際的な達成目標として設定された18の目標の実現に向けて各国が取り組みを行う。
出典:経済産業省編 (2018)「SDG’s経営/ESG投資の現状と課題」, (第1回 SDGs経営/ESG投資研究会 説明資料)(参照2019/7/3)

ESGのマーケティングへの活用

今後の企業の事業展開には、ESGを意識した事業展開がさらに積極的に行われるであろうことは明白で、国内外問わず企業のコーポレートサイトにもESGを宣言するものが多く公開されています。

ESGをマーケティングで活用するためのひとつの方法として、いまよく見かけるのは、エシカル消費(商品が環境や社会に与える影響を倫理的に考える 商品選択)への訴求でしょう。電通国際情報サービスは、追跡性に優れ、改ざんが難しいとされる情報管理システム「ブロックチェーン」を用いてエシカル消費での物の購入を点数化する仕組みを試験的に行っています。

「ブロックチェーンで保障される情報の透明性を点数化する」このシステムのように、商品そのものの魅力に加えてESGやSDG’sに則した事業活動の意図を消費者ひとりひとりが自分事化できるように訴求をしていくことがESGとマーケティングの関わりでは重要となっていくかもしれません。

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