信用スコア

信用スコアとは?

信用スコアとは

信用スコアは、さまざまなデータを基に「個人の信用」をスコア化したもの。提携企業はスコアを参照し、貸し付けや融資などのサービスの提供可否を決定します。近年の信用スコアビジネスでは、AIを導入することで迅速かつ公平なスコア算出ができるようになり、サービスの幅に広がりが見られます。

信頼スコアは、提携会社や信用機関、情報銀行から収集される学歴や勤務形態、年収などの属性情報やサービスの利用状況(要:本人の利用許諾)によって生成されます。最近のスコアリングの大きな特徴は、改善が自発的にできる点。信用スコアが算出された後でも、趣味などの属性情報を追加登録すれば、追加された情報を基にスコアが加減されます。

ビッグデータを信用スコアに活用

信用スコアが注目される理由は、ビッグデータを用いることで独自の観点を持った信用情報が形成できるようになったからです。これまでのクレジットスコアなどの個人属性を評価基準とする信用情報は、精度こそ高いものの‥
1)評価に時間がかかる
2)金融商品以外で有用できる利用企業が少なかった
‥という問題がありました。

しかし、最近はビッグデータも定性データとして評価軸に活用し、各種サービスへの汎用性も高い独自の信用情報が注目されるようになっています。顧客に独自の信用スコアを付与し、スコアに応じて優遇サービスを提供することにより、企業は顧客の離反防止に加え、新たな顧客の開拓既存もできるようになります。

中国ではインフラレベルで浸透

現在、中国では国を挙げての信用スコアブーム。政府は2020年までに、あらゆるデータから信用スコアを算出する“社会信用システム”の全国導入を進めています。
中国国内の信用スコアサービスを先導するのが、「芝麻信用(ジーマクレジット)」。アリババグループ系列のアントフィナンシャルが運営するキャッシュレス決済機能、「アリペイ」に付帯するサービスの一つで、現在利用者は5億2000人ほど(中国の全人口の3割を超える利用者)。

スコアは「個人特性」「支払い能力」「返済履歴」「人脈」「素行」の観点から利用者の支払い能力を合計350~950点で自動算出されます。また、利用者が自分で出身大学や職業を登録することで点数を上げることも。スコアが高いと、多岐にわたるサービスの優遇メリットが受けられることもあり、利用者の増加に拍車がかかっています。

芝麻信用の優遇サービス(一部)

  • ホテル宿泊時にデポジットが不要
  • 特定の国への渡訪時にVISA申請が不要
  • 自転車等のシェアリングサービスの提供
芝麻信用のスコア画面
個人特性、支払い能力、返済履歴、人脈、素行の5つの観点で算出された点数が、レーダーチャートで表示される
出展:総務省編.『芝麻信用など信用スコアサービスと情報銀行・プラットフォーム企業動向の考察』より

芝麻信用のスコア精度は高く、社会インフラとしても浸透しています。高いスコア保有者は社会的信用があるとみなされ優遇の幅も広がるので、利用者は積極的に個人データを登録して積極的なスコアアップを目指しているようです。

LINE SCORE

日本国内でも、昨年より大手情報通信各社の間で信用スコアサービスへの参入が徐々に増えつつあります。今年の6月には、LINEがAIを利用した独自のスコアモデルで利用者の信用度を算出するLINE SCOREを開始。測定したスコアに応じてキャンペーンなど利用者にあった特典を提供しています。

<LINE SCOREの優遇サービス(一部)>

  • 車などのシェアリングサービス
  • ファッション小物のサブスクリプションサービスの利用
  • 宿泊施設など割引クーポンのプレゼント

AIを用いた信用スコアのアルゴリズムは、2019年夏LINEからローンチ予定の個人向け無担保ローンサービス「LINE Pocket Money」にも利用される予定です。

ドコモスコアリング

LINEの他にも、国内の情報通信や金融各社が信用スコアサービスの開始や参入を発表。ドコモは利用者の携帯電話の利用状況や支払い履歴、コンテンツサービスの利用履歴をもとに支払い能力を点数化する「ドコモスコアリング」の提供開始を予定。同じく「提供予定のドコモレンディングプラットフォーム上において、算出したスコアが基に金融機関と契約者との間にレンディングサービスの信用情報として活用される予定です。

国内の信用スコアの普及は、これから?

日本では信用スコアの利用が、中国ほど浸透していないのが現実です。国内ではクレジットスコアや既存の信用情報機関の信用情報が利用者の支払い能力や社会的信用度を図る指標として普及しており、スコアとして絶対的な権力を持っています。これに対して信用スコアリングを行う各社は、利用者のメリットとなる特典やキャンペーンを打ち出すことでサービスの利用者数の拡大を狙っていますが、既存の会員優待サービスに類似するため信用スコアの利用拡大の誘因に繋がっていません。

信用スコアが生み出すバーチャルスラム

一方で、AIが算出する信用スコアによって「バーチャル・スラム」と呼ばれる貧困層が生まれる可能性も懸念されています。アルゴリズムによってユーザーをスコア化する際に、アルゴリズム上は最初から良いユーザーと悪いユーザーが生まれる弊害があります。しかし、スコアが低かったユーザーが結果をみても、AIが算出したため本人に理由がわからず対応もできないということが起こります。低得点であるゆえに社会的信用がないと見なされ、個人融資やサービスが受けられない可能性も。その結果、貧困から抜け出せなくなってしまうことが懸念されます。スコア評価にAIを取り入れる公平性と、AI故に生じる評価のバイアスとのバランスを考慮したスコア活用が、今後の信用評価ビジネスの普及の鍵ともいえそうです。

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