間取り図で「住みたい!」と思わせるコピー術

下の2つの間取りを見て、みなさんはどちらに住みたいと感じるでしょうか?おそらく、多くの人にとっては、Bの空間が魅力的に見えるかと思います。Aのようなシンプルな文言ではなく、どうすれば「住みたい!」と思ってもらえる間取りコピーが書けるのか、順を追ってご紹介します。

まず図面をじっくり観察。間取り要素を集めよう

図面から分かることを、すみずみまでチェック

まず住宅の種類を確認しておきましょう。一戸建てかマンションか、マンションであれば何階かなど、文字情報を拾っていきます。

次に、この住まいにはどんな空間や設備があるかをチェック。「子ども部屋は3部屋」「ビルトインガレージあり」「ファミリークローク付き」など、一つひとつの部屋やその中の設備を把握します。

空間や設備は列挙するだけでなく、その配置にも注目しましょう。各部屋の窓はどの方角を向いているか、家事をするときの動線はどうかなど、レイアウトを確かめます。

このままコピーにすると“間取り説明書”に!

ここで、ひとまず間取りの要素は洗い出すことができますが、このまま分かったことをコピーにすると、先にお見せした「A」のような「間取り説明書」ができてしまいます。では、次に「説明書」から脱却するステップに進みます。

間取り要素をどう使うか?暮らし方を想像してみる

自分ならどう過ごす?1日をイメージしてみよう

間取り図面の情報をインプットしたら、次は2W1Hを使って暮らしのシーンを思い浮かべます。

  • Who 誰が使うか

・空間を自分ひとりで使うか、もしくは誰かと一緒に使うか
・家族で使うか、友人や親戚も使うか

例)ビルトインガレージ:夫ひとり
  バルコニー:妻ひとり
  アイランドキッチン:母と娘

  • When いつ使うか

・朝から夜にかけてどの時間帯か
・休日か平日か
・どの季節か
・どの天気か
・どのくらいの頻度か
・将来も使うか

例)ビルトインガレージ:休日
  バルコニー:晴れの日
  アイランドキッチン:休日の午後

  • How どのように使うか

・どんな目的・用途で使うか

例)ビルトインガレージ:車のメンテナンス
  バルコニー:洗濯物干し
  アイランドキッチン:みんなで料理

こんな暮らしもできそう!とアイデアを広げる

上記で出した例はあくまで一例にすぎません。ひとつの使い方・暮らし方にとどまらず、アイデアを広げてみましょう。

  • アイデアの広げ方① 配置に注目

例)ビルトインガレージからそのまま室内に入ることができる。
  アイランドキッチンはサニタリーのそばにある。

  • アイデアの広げ方② ほかの使用シーン

例)バルコニーは夫婦で/友人とも使える。
  ビルトインガレージは平日の買い物帰りにも使いそう。

  • アイデアの広げ方③ 壁打ち

自分の固定観念にとらわれてしまって行き詰ったときは、同僚や上司、Webからヒントを得たり、AIと壁打ちしたりしてみましょう。

※ここまでの間取りコピーは“空間の特徴まとめ”

具体的な暮らしを想像できたところで、各空間をコピーに落とし込みます(下図の間取りコピー②)。それぞれにどんな特徴があるか、何に使えそうかが見えてきたので、次は「住みたい!」と興味をもってもらえるようにもう少し工夫していきましょう。

○○さんにとってこの住まいのいいところ!ベネフィットをコピーへ

住まいの魅力を伝えるためのベネフィット

間取り図を見た人に、そこでの暮らしをもっとイメージしてもらうには、ベネフィットを伝える必要があります。ここで注意すべきは、「間取りのメリット(特長)=間取りのベネフィット(便益)」ではないということです。

ベネフィットは、主に「機能」「情緒」「自己表現」の3つの観点で語ることができます。

  1. 機能:時短、節約…(例:LED電球は寿命が長くて経済的)
  2. 情緒:ラク、安心…(例:祖母の電話機には防犯機能がついているので安心)
  3. 自己表現:センスが良い、○○上手…(例:高級車を持っているというステータス)

間取りの魅力を理解してもらうためには、ベネフィットを加えて「○○さんにとって✕✕のとき結局何が良いのか?」を分かりやすく示すことが必要です。

日々にちょっといいこと、を添えて「住みたい!」と思わせる

こうやって暮らしたい!と思う間取りコピー

ここまでの間取りコピーのポイントを踏まえて、ベネフィットを加えたコピー例をご紹介します(下図の最終コピー)。

コピー術のまとめ

1 間取りを理解し自分事化する

どんな設備・空間があって、自分ならどのように使うのかを想像しましょう。

2 アイデアを拡散する

▼拡散するための質問
・どの位置にある?
・ほかの人が/違うタイミングで使うとしたら?
・ほかにどうやって使う?

3 ベネフィットをコピーにする

「どんな人」が「いつ」「どんなことをする」ときに、その間取りの特長が活きるか?暮らしのシーンを思い浮かべて、住む人にとってのベネフィットをコピーにします。

4 ちょっとした表現の工夫と注意

表現の幅をもたせることで、ほかとの差別化や情緒的な訴えがしやすくなります。

  • 空間に名前をつける
    例)書斎=おこもりスペース、W.I.C=見せる収納
  • 擬音語を使う
    例)ゴロンと横になれる和室、朝のバタバタも安心の広い玄関
  • トーンマナーに注意
    指定のガイドラインや訴求ポイントがある場合は、過去事例を参考にしながらトーンマナーや伝えるべきことを意識しましょう。