本書は、①「提案」業務に難しさを感じている、B2Bのコンサルティング型営業の若手ビジネスパーソン②「提案」業務について体系化された教育プログラムに興味があるマネジャー層の方に向けて執筆されました。この記事では、本書のポイントについてダイジェストでご説明します。
ポイント1
自分のキャリアに合わない無謀な提案を避けるために、まずレベルを認識する
提案はやみくもに行うのではなく、提案のレベルを決めてそのレベル感にあった人が行わないと無駄打ちになってしまいます。
①新規クライアントなのか、既存クライアントなのか②新規案件なのか、既存案件なのか③RFPありなのか、RFPなし(自主提案)なのか によって、提案の難易度が決まります。難易度に合わせて、誰が提案すべきか?提案そのものを行うべきか?を検討したり、詳しい人をアサインしたり‥などといった対策が可能になりますので、提案のレベルを推し量る作業はぜひ行いたいものです。
もちろん、既存クライアントの既存案件における依頼提案が最も易しく、新規クライアントの新規案件における自主提案が最もチャレンジングになります。この分類方法は、マネジャーが部下を評価するときの軸としても活用できるでしょう。
ポイント2
周囲を巻き込みながら提案を重ね、着実に進める
コンペでもノーコンペでも、提案は徐々に周囲を巻き込みながら複数回行います。
ここで重要な視点は、提案の「フェーズ」です。提案のフェーズは、自分1人で行う「Ⅰ.起案期」、社内で議論する「Ⅱ.立案期」、クライアントを巻き込む「Ⅲ.ジャブ提案期」、クライアントの決裁者を巻き込む「Ⅳ.本提案期」、クライアントが使いやすいように改良する「Ⅴ.改良提案期」の5つに分けられます。
提案は、基本的にジャブ提案を複数回行い、本提案に進むという流れで進めます。自分で、あるいは社内で起案したものを、クライアントを巻き込みながら、「使える」提案にしていくことが重要です。
ポイント3
提案を自分事として聞いていただくために、あらかじめ課題感を把握しておく
クライアントの課題(感)を解決できそうな施策やそのヒントをGIVEしないと、クライアントは振り向いてくれません。受注につながる提案をするためには、前もって課題(感)をつかんでおくことが肝要です。
ある程度の信頼関係を築けている既存クライアントで、職位が比較的高い担当者に対しては、「どのようなテーマをおもちですか?」というようにストレートに聞いてしまうのも手です。そうでない場合は、後述の「聞き出し提案」も、策として考えられます。
新規の取引相手だと提案の難易度はグッと上がりますが、そういった場合は中期計画がヒントになります。IR情報に掲載されている情報を読み込むことで、打ち合わせの場での質問項目もつくりやすくなるでしょう。
ポイント4
クライアントの状態別に、提案のアプローチ方法を変える
提案は、こちらがどれだけクライアントの情報を持っているか?によって、①聞き出し提案、②気づかせ提案、③シナリオ提案、④推進提案の4つのアプローチに分けられます。
①聞き出し提案
聞き出し提案は、提案先のクライアントのテーマがつかめておらず、また参考になるようなデータにも乏しい場合を想定しています。こういったケースのポイントは、「現在、××さんがおもちのテーマとズレてしまわないようにしたい」と言いつつ、「□□という課題があるのでは?」という仮説をGIVEすることです。実際に製品やWebサイトを使ってみた人の感想レポートなどは、喜ばれるでしょう。
②気づかせ提案
クライアントの課題(感)を把握していなくても、こちらにデータがある場合のアプローチ方法です。こういった場合は、データに基づいた仮説をGIVEします。データから、「あるべき姿」と現状のギャップを洗い出し、考えられる課題と打ち手のラフ案を提示してみると良いです。
③シナリオ提案
クライアントの課題(感)は把握しているものの、どれくらいの本気度でクライアントがその課題(感)を解決しようとしているのかわからない場合のアプローチ方法です。クライアントが、その課題を「解決すべき」と認識していただけるように、シナリオ(課題を現実味のある施策にしていくための道筋)をつくり、GIVEします。
④推進提案
クライアントの課題やデータといった情報が手元にあれば、具体的な進め方を提案(GIVE)します。このケースではとくに、一度目のジャブ提案である程度納得性のあるものを持っていけるかどうかが重要です。ゴール、マイルストン、タスク一覧、スケジュール案‥などが揃ったプロジェクト計画書の用意を進めましょう。
ポイント5
「効く」提案を行うために、プランニングフローをマスターする
自主的な提案、コンペティション時の提案に限らず、どんな職業でもクライアントに対して提案を考える場合の基本(提案思考のフレームワーク)があります。それを私たちは、 「プランニングフロー」と呼んでいます。
すべてのステップを活用できるようになっておくと、
- 今回の提案では、自分がどのステップに注力すれば良いかがわかる
- 提案したい内容を裏付けるために、どんな資料を用意すれば良いかがわかる
- 提案から急に、コンペティションに切り替わっても、スムーズに提案書が書ける
- クライアントの上申支援資料作成の際に、スムーズに企画資料がつくれる
‥といったメリットがあるため、ぜひ各ステップのやり方を身につけておきたいものです。①聞き出し提案、②気づかせ提案、③シナリオ提案、④推進提案で活用するステップが異なります。それぞれの解説は、本書をご覧ください。
「提案のしかた」にご興味があれば、ぜひご一読ください
GIVEすることの重要性は、アダム・グラントの『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』でも述べられていますが、コンサルティング型営業は、お客様にGIVEすること―つまり「頼まれてもいない提案を持っていく」ことから始まることを念頭に置かなくてはなりません。
本書は、どのようなタイミングで、何を誰にGIVEしたらいいか?についても触れていますので、ご興味のある方はお手に取っていただけますと幸いです。














