起業を目指す人の「転ばぬ先の杖」として執筆された本書は、起業とお金に関する基礎知識や資金繰りの難しさと大切さ、経営者しての在り方などについて語っています。この記事では、プランナーのみなさんにぜひ読んでほしい、「仕事の構え」の部分について抜粋してご紹介します。
成長のチャンスを掴みに行くこと
「勇往邁進」
これが今の私の人生訓になっている言葉です。
本来の意味は「目標に向かって、勇気をもって前進する」ということです。目標が決まれば、どんなに困難な壁があっても、勇気をもってその壁を乗り越えていかなければならない。私は、この言葉を次のように解釈しています。
「楽な道と苦労の道があれば、苦労の道を選びなさい。」
成長するためには、苦労をしなければならない。いつも楽な道を選んでいては、成長の機会を失ってしまう。
あえて苦労の道(イバラの道)を選ぶことで、自らの成長の場を創り出し、それによって少しずつ成長を続けてくることができたと信じています。
p.115より抜粋
「苦労の道(イバラの道)を選ぶ」とは、新しいことにチャレンジしたり、苦手だったことにもう一度取り組んでみたりといったことを指すのでしょう。わからないことを聞けば教えてくれる仲間がいる環境であれば、周りの助けを借りながら挑戦してみると視野が広がります。もちろん得意分野を見つけて伸ばすことは大切ですが、そうでない分野に足を踏み入れることで、成長のきっかけを手にすることができるのです。
成長に関する環境を考えるフレームワークとして有名なものがあります。ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスの教授の、Noel M. Tichy氏が考案したものです。下記のように、チャレンジする領域をストレス負荷ごとに3つに分けます。
- ストレス負荷がほぼない代わりに、成長のきっかけも乏しい「コンフォートゾーン」
- 適度なストレス負荷があり、成長のヒントも得られる「ストレッチゾーン」
- ストレス過多で成長できず、心身の健康を害してしまうおそれのある「パニックゾーン」
本書で述べられている「苦労の道を選ぶ」ということは、「コンフォートゾーンを出る」ということになります。そうすれば、少しずつでも成長できるというものです。
あきらめないことを大切に
なぜ当社が上場を実現できたのか?
それは、「決してあきらめない」の一言に尽きます。
まず「上場する」ということを宣言する。そして、それを実現できるまで毎日言い続ける。それだけです。
私はそれを20年近く続けました。皆さんも困難なことがあっても、あきらめることなく前に進み続けてもらいたいと思います。そして、皆さんの夢が叶うことを心から願っております。
p.157より抜粋
あきらめないことの大切さは多くの書籍で語られてはいますが、それだけ大切なポイントなのでしょう。しかし実際には、高いハードルを自力で超えることをあきらめなくてもならない場面もあるかもしれません。
そんな時でも、「右の道に行ってうまくいかなかったら、次は左の道に行ってルートを変えてみたり、歩いて行って無理なら走って行く…など、やり方を変えてみたい」のです(インタビュー記事をご覧ください)。正攻法であきらめざるを得なくても、ほかの手段で挑戦する。その粘り強さが求められているのではないでしょうか。
