藤井円工さん『商品企画が上手い人 提案が通らない人』トキツガセ出版(2021)から、受託型専業プランナーの仕事に活かせそうなポイントをメモしてみました。
事業会社の商品企画者としての長年のご経験から、企画をする人に重要な構えのエッセンスだけが書かれた内容で、30分くらいで読めるボリューム。プランナーとしてキャリアを積んできた人からすると、「おっしゃる通り!」ということになりますが、若年層からすると「もう少し具体的な方法を教えて欲しい」というように、ジェームズ W.ヤング『アイデアのつくり方』にも通じる熟練の人にはよくわかるコンテンツの“濃厚さ”がポイントです。
エッセンスMEMO
●企画者に必要なスキルは、
1)役割を演じられること
2)何にでも関心を持ち、常に最先端を採り入れられること
3)ダンドリを組めること
の3つである。
●話を聞いてもらえるためには、まず相手のことを知ること。恋愛と同じで、マメに相手のことをしっかり調べていないとダメ。
●ありえない話(=驚き)を組み込んだストーリーにしないとつまらない企画になる。異業種で行われていることを積極的に採り入れてみること。
●自分が欲しいものから考えるのが、商品企画のセオリーである。仮説が正しくても反対意見が多いのは、社内調整ができていないから。ダンドリよく調整しないと、スムーズに進まない。
●いままでにないものを出す場合は、いきなり実行するのではなく、上手くいっている状況に合わせて、徐々に展開していくべき。その際、自分以外の第3者による必然性をアピールすると通りやすい。
受託側の専業プランナーは、商品企画や商品開発における「社内調整」を体験することがほとんどありませんが、企画をサポートする際(例えば、中間報告時や上申時)に、そういったしがらみを上手にくぐり抜けるスキルを垣間見ることができるでしょうし、大きなプロジェクトを回す場合には、専業プランナーも重要なスキルになることは間違いありません。
