「recri(レクリ)」から見るサブスク成功のポイント

サブスクリプションとは?

サブスクリプション(サブスク)とは、料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができる仕組みです。

インターネット利用が増えたことに加え、モノを持つ豊かさでなく、体験を重視するニーズの増加が、サブスク普及の背景にあると言われています。

動画・音楽配信はサブスク形態のサービスとしてよく知られていますが、今やサブスクは、食品、ファッション、家具・家電、さらには旅行とそのジャンルを広げています。

注目の最新サブスク「recri」

さまざまなサブスクが登場している中で今注目されているのが、2023年の日本サブスク大賞で特別賞を受賞した「recri」です。

”自分だけでは出会えなかった”チケットを提供するサブスク「recri」
https://subscription.recri.jp/

recriは、芸術鑑賞のチケットを毎月届けてくれるサブスクで、舞台プランと展覧会プランの2種類から選んで利用できます。

  • 舞台プラン

 演劇やミュージカル、バレエ、ダンス、伝統芸能などのチケットを提供。月額7,900円。

  • 展覧会プラン

 美術館や企画展、博物館、アートフェスなどのチケットを提供。月額2,400円。

都内の主要エンタメを届ける興行主がチケットを提供
https://subscription.recri.jp/

上記のように多数の興行主のおかげで、利用者は都内の主要なエンタメに触れることができます。

実際のサービス利用は以下のような流れです。

5つのステップで芸術鑑賞まで
https://subscription.recri.jp/

サービス利用の流れはシンプルですが、細部にはrecriならではの特長が見られます。

ひとつは人数の変更が可能であるということです。自分だけでなく、家族や友人、カップルで体験したいという利用者にも柔軟に対応しています。

また、チケット選定は、舞台作家や映画監督、アーティストなど、エンタメや芸術に精通したプロフェッショナル(=本サービス内では「ソムリエ」)によって行われ、利用者はソムリエが自分のために厳選した作品の中からチケットを選ぶことができます。

チケットが届くときには、注目ポイントや楽しみ方を案内してくれる解説レターがついてくるほか、鑑賞後はソムリエに直接質問ができる機能も。これにより、どの利用者も作品についてより深く知り、楽しむことができる仕組みとなっています。

recriがサブスクで成功している理由とは?

上記で説明したように、こだわりの機能が詰まったrecriですが、それらはどのようにサービス拡大に貢献しているのか、3つのプロセスで分析してみました。

ステップ1:試してもらう

recriには初回限定で舞台と展覧会を1度ずつ体験できる「お試しプラン」というものがあります。このプランは月額3,500円で2つのプランを試すことができ、recriを利用してみたいという人にとってはかなりお得に体験ができます。

また、recriは「芸術業界の敷居を下げて、さらに多くの人に芸術鑑賞をしてもらいたい」(Monthly Pitchより)との思いから始まったサービスで、その言葉どおり、幅広い層をターゲットとしています。

まず、芸術鑑賞をすでに何度かしたことがある人に対しては、ソムリエにチケットを選んでもらうことで、自分だけでは出会えなかった新しい作品に触れられるといったメリットがあります。また、「さらに作品に没入したい」という利用者には、舞台の裏側などを知ることのできる会員限定のコンテンツも用意されており、作品をより深く知ることができます。

一方で、芸術鑑賞を今まであまりしたことがないという人は、ソムリエがチケットをおすすめしてくれるため、チケット選びに迷う必要がありません。また、解説レターで作品の楽しみ方を知っておけば、「あまり面白くなかった」と落胆することも少ないのではないでしょうか。

このように、芸術鑑賞の経験のあるなしに関わらず、誰もが作品を楽しめるというメリットがあるため、「お試しプラン」でrecriを利用した人を十分に魅了できる、という点が1つ目のポイントです。

ステップ2:続けてもらう

始めてもらった後は、いかに継続してもらえるかが重要ですが、このステップでもrecriの強みが活きています。

まずは、舞台プランと展覧会プランの2つを自由に行き来できるという点です。

recriでは会員を継続しながらプランの切り替えをできるため、気分に合わせてどちらも楽しむことができます。

また、忙しくてこの月は参加できない、といった時は料金の支払いが発生しません。この仕組みも利用者が継続してサービスを利用しやすいポイントです。

さらに、作品鑑賞後に利用者がフィードバックを残すことにより、ひとりひとりの興味関心が随時更新されるため、ソムリエはその時々に合わせた提案が可能に。好みの変化に逐一対応し、利用者を退屈させない仕組みが出来上がっているのです。

ステップ3:広げてもらう

最後のステップはサービス認知の拡大と利用者数の増加です。

recriでは参加人数の変更ができることによって、利用者だけでなく、その同行者も芸術鑑賞をすることができます。ここで、同行者へサービス認知を拡大させられることはもちろん、作品を気に入ってもらえれば、サービスの利用開始も見込まれます。

以上の3つのステップをもって、recriはその特長を活かし、サービス拡大へと好循環を生み出すことができているのではないでしょうか。

recriの新サービス

最後にrecriが行っている新サービスについてご紹介します。

recriは2022年より、企業をターゲットにした「recri for corporate」を開始しました。このサービスは、社員ごとにパーソナライズされた芸術鑑賞の福利厚生を提供できるものとして発足しました。

企業をターゲットにした新サービス「recri for corporate」の利用法
https://corp.recri.jp/corporate

社員ひとりひとりに最適なコンテンツを選ぶ必要がないため、企業側の負担が少なく、さらに社員は自分に合った作品を楽しめるサービス設計であることが特長です。

実際に利用している企業からは、自己啓発だけでなく、社員のリフレッシュを促し、社員同士の交流機会をつくることもできているという声があがっています。

個人だけでなく、企業もターゲットとしてサービスを展開しているrecriが、今後どのようにさらに拡大していくのか、その動向からサブスク成功のヒントが得られるかもしれません。