「スマホ脳はどこまで脳を壊すか」から、オンライン会話だけでは、うまくいかないことを学ぶ

スマホはどこまで脳を壊すか

オンラインコミュニケーションだけでは、物事がスムーズに進まないことが多い理由について、榊浩平さんの「スマホ脳はどこまで脳を壊すか」朝日新書(2023)に有益な情報が論じられていましたので、そのポイントをざっくりまとめてみました。

参照する場所は、3章「オンラインコミュニケーションの落とし穴」と4章「オンラインでは脳はつながらない」です。

オンライン会話では、脳は同期しない

誰かの話に共感したり、相手の気持ちを推し量ったりするとき、主に三つの脳領域がはたらいている。

  • 前頭前野の内側
  • 側頭葉の先端
  • 側頭葉と頭頂葉の間あたり

会話をしていると、これらの脳領域における脳活動の時間的なゆらぎ(脳活動のリズム)が会話をしている人たちの間で揃ってくる。これを「脳活動が同期している」という。

 筆者の実験の結果、オンライン会話では参加者の脳活動が同期しておらず、ぼーっとしている状態と同じだった。しかし、対面会話ではオンライン会話よりも明らかに参加者の脳活動が同期していることが判った。

 脳活動の同期は、コミュニケーションにおける共感や共鳴のような現象を反映しているのではないか?オンライン会話でも、対面での会話と同じように情報を伝えることはできるが、相手と心と心が通じ合ったり、誰かと「つながっている」感覚が得られたりすることがないのではないか?

脳が同期しない理由は、視線と通信速度にある

 オンライン会話で、脳が同期していない(相手とつながっている感覚が得られない)原因は2つ。

原因1:視線

オンラインのビデオ通話では、レンズの位置と画面に映る相手の目の位置が異なるため、絶対にお互いに目を合わせることができない。会話において、「視線を合わせること=肯定的な評価につながる」ため、互いが不安になっている(から、脳が同期しないのかも)。

原因2:通信速度

オンラインの場合では、相手の画像を60fps(動画が1秒間に60枚の画像で構成されている)でしか表示できないのに対して、対面会話の場合、目から入る情報の処理速度は1000fpsと圧倒的に多い。脳からすると、オンラインで語りかけてくる人は現実の人ではなく、パラパラ漫画の1コマに描かれたキャラクターの1人としか受け取ってもらえない(から、脳は同期しないのかも)。

視線を合わせられるカメラを全員が持てるようになったり、通信速度がかなり向上したりするまでは、オンライン会話は、出会いのキッカケづくりや会えない期間の「つなぎ」として活用するのが良いかもしれません。

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