コロナ禍をキッカケに、国内オンランサロンの注目度は大きく高まっています。
オンラインサロンとはオンライン上の会員制コミュニティのことを指します。月額課金制が基本で、会員は限定コンテンツや会員同士の情報交換を楽しむことができます。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査(2021年)によると、オンラインサロンの利用経験のある人のうち、48.7%が2020年以降に初めて利用したと言います。2019年末には25万だった利用者数も、2020年末には53万人へと倍増し、市場規模も大きく拡大しました(ICT総研調査 2021年)。
経営者側のメリット
オンラインサロンは経営者にとっても有益なプラットフォームです。以下の2点が、主なメリットです。
- ビジネスアイディアが実現できる
オンラインサロンでは、会員とともにビジネスアイディアをかたちにすることができます。また、クラウドファンディングで支援を募らずとも、参加意欲のある人々とビジネスを展開することも可能です。
- 商品宣伝の場を作れる
オンラインサロンは新商品やサービスの効果的なプロモーションに役立ちます。一般的な広告と異なり、主宰者との信頼関係をベースにした宣伝ができるため、実際の購入や申し込みにつながりやすくなります。
事例から見る成功ポイント
プロジェクト型であること
プロジェクト型オンラインサロンでは、主宰者とビジネスに賛同する会員が一体となってビジネスを行います。
「西野亮廣エンタメ研究所」は国内最大級の会員数を誇り、2020年時点でその会員数は約7万人にも上ります。主宰者の西野亮廣氏は数々のエンタメ事業を手掛けていますが、すべては当オンラインサロンから始動しています。会員は、プロジェクトの企画段階から参加したり、当日の運営ボランティアとして参加したりと、自分の希望する範囲でプロジェクトに携われます。
例えば、当オンラインサロンは2018年に「あらためて新成人を祝う会」と名付けた成人式を開催しました。イベントは、振り袖の販売・レンタル業者「はれのひ」の事件被害者のために実施され、数百名の会員がスタッフとして参加しました。

(https://salon.jp/nishino)
オフライン活動が充実していること
その名の通り、オンラインサロンはオンライン上でのコミュニケーションが基本です。しかし、一部オンラインサロンではオフラインでも活動を実施し、主宰者と会員、または、会員同士の直接的な交流を行うことで、その関係性を深めています。
「SALON AWARD 2024-2025 Powered by DMMオンラインサロン」で、「オンラインサロン大賞」を受賞した「Holland Village Private Community」は、低い退会率と高い満足度を維持し続けています。それを下支えするのが、オンラインとオフラインでのコミュニケーションです。
2024年までには、「Holland Village Private Cafe(以下 HVPC)」という会員制カフェを3店舗オープン。「会員がお互いを助け合える環境創出」を目的としており、当オンラインサロン主宰者である河村真木子氏は、2025年に新店舗を日本全国13都市に展開することを発表しました。各店舗を運営するオーナーは会員から募集し、50名以上の応募者から選出されました。

(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000108253.html)
各店舗は一般の方も利用可能で、オンラインサロンの枠を超えた交流を実現しています。そのほか、予約困難な店舗でのオフ会やワイナリーツアーを実施するなど、その活動は多岐にわたります。
「共感」と「共創」の循環が、持続的な関係性を作る
オンラインサロンには年単位での利用者も多く存在しますが、その持続的な関係性のカギは、「主宰者への共感」と「コミュニティの共創」だと考えられます。
主宰者への共感
オンラインサロンの利用目的は、主宰者への共感を軸にしたものが多くあります。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査(2021年)によると、会員のオンラインサロン利用目的は、「主宰者とのつながり」19.6%、「主宰者の応援、支援」14.0%、「主宰者によるカウンセリング、コンサルティング、相談等の利用」12.7%という結果になりました。
調査結果からも、利用者は、主宰者との価値観・思想といった感情的なつながりを求めており、共感はオンラインサロン利用の土台と言えます。
コミュニティの共創
コミュニティの共創とは、イベントやプロジェクトへの参加といった、主宰者と会員との双方向のコミュニケーションによって実現されます。会員は通常、主宰者からコンテンツの受取を行うにすぎません。しかし、主宰者から会員への一方的なコミュニケーションで会員の自己成長という枠にとどまります。一方、コミュニティに積極的に参加し共創に関わる場合は、会員に当事者意識が芽生えます。

(https://prtimes.jp/story/detail/xWgoz8fgW6x)
実際、西野亮廣エンタメ研究所が開催したBBQ大会の参加者からは、「初対面でもすぐ仲良くなれる」「素でいられる」「サロン内で、西野さん以外の方からも仕事のご縁をいただいています」「仕事を得ることがサロンメンバーにいる目的ではありません。でもサロンに参加して人間関係や仕事の幅が広がったのは事実です」「自身でも西野さんの教えを実践している人がたくさんいます。そんなメンバーと話し、意見をもらえるのは本当に貴重な場です」といった声がありました。イベントでの交流を通じ、参加者は共創の楽しさを実感しているようです。
支援者から仲間へという意識の変容は、会員のさらなる成長を促し、コミュニティの持続的な発展につながります。単なる共感から参加したとしても、一緒にそのコミュニティを創り上げていくことでユーザーとの関わりを深めていく手法は、オンラインサロンの例からも、効果的であると言えそうです。









