顧客に自社の商品・サービスを利用してもらうためには、まず手に取ってもらうことが必要です。そのためには「切り口」の概念が役に立ちますので、こちらの記事をご覧ください。その後のステップではサービス利用を継続してもらいたいものですが、なかなか簡単ではありません。今回は、自社の商品・サービスを継続利用してもらうための視点から、「トリマ」をはじめとしたポイ活アプリについてご紹介します。
※ポイ活:特定の行動によって得られるポイントを貯めて節約などに生かす活動
サービスを利用する動機の種類
まず、人にアクションを促す方法として、外発的動機付けと内発的動機付けという考え方があります。
外発的動機付け
報酬、名誉、評価などの外的なもので動機付けするという考え方
例:「この仕事をやれば高収入が得られる」「この仕事をしないと周囲からの評価が下がる」
- メリット:興味や関心が低い人の行動を促すことに効果的である
- デメリット:慣れてくると効果が長く続かない
内発的動機付け
自己の興味、関心、意欲などの内的なもので動機付けするという考え方
例:「自分の成長のために頑張る」「その分野に興味があるから勉強する」
- メリット:長期的に行動を促進できる
- デメリット:興味や関心がなくなると、一気にモチベーションが低下する
このことから、ターゲット顧客に商品・サービス利用の習慣化を促す方法の一つとして、まずはディスカウントなどの外発的動機をきっかけに商品・サービスを利用し始めてもらい、徐々に内発的動機に移行させることが考えられます。
継続利用されやすい仕掛け
「トリマ」を例に見てみましょう。トリマは、移動距離や歩数に応じてポイントが貯められるポイ活アプリです。貯めたポイントは現金や他社ポイント、商品交換券などと交換することができます。徒歩だけでなく自動車や電車での移動もポイント獲得の対象となり、移動のついでにポイントを貯められるお得感から、多くのユーザーに支持されています。

ユーザーの多くは、ポイントの獲得が目的でサービス利用を始めると考えられますが、外発的動機は、慣れてくると効果が長く続きません。しかし、徒歩や自転車移動に伴う健康促進効果を実感してもらえれば、内発的動機への移行が起こるかもしれません。当初はポイントを獲得するために移動していたものの、気が付くと健康促進が動機になっていたという仕掛けです。実際にそのような体験をつくりだすための機能も用意されており、徒歩で移動する際には、歩数や消費カロリー、目的達成度などが自動で計測されます。データが可視化されることで、運動のモチベーションアップにつながるのではないでしょうか?
内発的動機付けを意識したサービス設計をしよう
トリマは「移動するだけ」でポイントがもらえるサービスであるため、習慣化には有利な面もあるでしょう。しかし、異なる種類の行動に対してのサービスでも、トリマと同様に「最初はポイント目的で始めても、気がついたら別の目的ができている」というケースがあります。
レシートポイ活アプリ「CODE」
レシートを撮影して送信することでポイントが貯まるサービスです。撮影したレシートの情報が記録されていくため、家計管理もしやすくなります。ポイント目当てで始めたとしても、気が付けば家計管理のために活用しているケースもあるようです。そうなれば、継続的にアプリを使ってもらえる可能性が高まりますね。

ソフトバンクが手掛ける「エコ電気アプリ」
節電することでポイントが還元されるサービスです。電気料金の高騰や地球温暖化を背景に、一人一人に節電を自分事化させたいという思いからつくられました。ポイントの獲得をきっかけにして節電への意識を芽生えさせるという動機付けを活用しています。

(https://www.softbank.jp/energy/special/eco-denki-app/)
ポイント目的で始めたことが、健康・節約・環境問題などさまざまなカテゴリの内発的動機に移行する可能性が考えられます。どのような内発的動機に移行してもらえそうか?を検討してサービスをうまく設計すると、利用を継続してもらいやすいでしょう。









