カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、ある特定のカテゴリーの製品やサービスを購入する際に、ブランドを思い浮かべるきっかけとなるポイントのことを言います。
例えば、コーヒーが飲みたくなるタイミングは、「眠気を覚ましたい時」「朝食時」「甘いものを食べる時」などさまざまです。製品を利用する目的やシチュエーションを、CEPと呼びます。
CEPがなぜ重要なのか?
消費者の利用機会を増やせるから
ある製品やサービスのCEPがたくさんあると、より多くの消費者のニーズに当てはまりやすくなります。その結果、消費者が特定のカテゴリーに対して自社ブランドを想起したり、製品やサービスを購入・利用したりする機会が増えると考えられています。
例えば、ハーゲンダッツの例を考えてみると、CEPは以下のようなものが挙げられます。
- 食事の後にデザートを食べたい時
- 1日の終わりにのんびりリラックスしたい時
- 少しの贅沢でささやかな楽しみを実感したい時
- ストレスを感じたり落ち込んだ時
- 家族団らんの時間
- 子供や家族の喜ぶ顔を見たい時
- お酒と一緒に甘いものを楽しみたい時 など…
このように、ハーゲンダッツを食べたくなるシチュエーションが多いため、消費者のニーズに応えやすく「ハーゲンダッツを買おう」となりやすいと考えられます。
競合と差別化できるから
CEPを増やすだけでなく、その内容を工夫すれば、製品やサービスを他社と差別化することも可能です。例えば、大手飲料メーカーのキリンは2013年に「午後の紅茶 おいしい無糖」を”おにぎり公式飲料”として発表しました。
このキャンペーンで、「パンと一緒に飲む」だけでなく「おにぎりと一緒に飲む」という、他社の紅茶にはないCEPを消費者に提示することで、午後の紅茶は競合との差別化に成功しています。
CEPの見つけ方
CEPを見つけるには、7つのWで構成されるW’sフレームワークを使います。このフレームワークを使うことで、ある程度網羅的にCEPを考えることができます。

ここで、例としてマクドナルドのハンバーガーをデリバリーで注文する時について考えてみましょう。特に、WhileやWith/for Whomなどをうまく設定すると、新たなCEPが発見できるかもしれません。今回の場合は、「家事で疲れている時」「家族みんなで」「週末に食べる」といったCEPを見つけることができます。

CEPを設定する時の注意点
上記のようなフレームワークを使用することで、製品・サービスのCEPの見当をつけることはできます。しかし、CEPをむやみに増やすと、ブランドのイメージがあいまいになり、ブランドやターゲットの軸がぶれてしまうことがあります。また、CEPを特定し消費者に訴求したとしても、そのカテゴリーでブランドが想起されにくいままでは、購入・利用は見込めません。
つまりCEPは、一定のブランドイメージを保つことができ、かつ競合ブランドにはないものを選定する必要があるのです。
CEPの選び方
効果的なCEPの選定は、以下を基準とすることができます。
- 製品・サービスの強み
そのCEPは製品・サービスの特長を活かせているか
- 消費者ニーズ
そのCEPでターゲットが実際に製品・サービスを利用したいと思うか
- 競合優位性
そのCEPは競合の中でも優位になり得るか
先ほどのハーゲンダッツの例から考えると、「少しの贅沢感/ささやかな楽しみを実感したい時」というCEPは、ハーゲンダッツの高級感を上手く活用できていると言えます。一方で、単に「暑い日に涼みたい時」というCEPだと、安価で冷たさを手早く感じられそうな、かき氷やシャーベットのアイスを思い浮かべる消費者も多いのではないでしょうか?これでは、競合優位性があるとは言えません。
上記の3つの条件をもとに最適なCEPを見つけられれば、自社ブランドの製品やサービスがカテゴリー内で思い出されやすくなり、購入・利用の機会を増やすことができます。
消費者が実際に体験している状況や感情がもととなるCEPは、購入・閲覧履歴などのデータから探ることはできません。しかしながら、消費者調査や製品・サービスの理解から得られるCEPは、消費者の利用場面を細かに想定することができます。そのため、より直接的に消費者のニーズに訴えられる手段として、CEPを設定する動きは今後さらに増えていくでしょう。










