話題の「BYOAI」
最近、個人が独自にAIツールを職場に持ち込む「BYOAI(Bring Your Own AI)」が注目を集めています。
BYOAIが注目されるきっかけとなったのは、マイクロソフトとLinkedInが2024年5月に発表したレポート「2023 Work Trend Index」です。この調査は、31か国で31,000人を対象にAIに関するアンケートを行ったものです。
世界的に広がる職場でのAI活用
本調査によると、「仕事で生成AIを使うようになったのはいつからですか?」というアンケートに回答した人の46%が、過去6か月の間に生成AIを仕事で使い始めたと報告しています。この半年で、生成AIの利用が世界的に増えていることが示されています。

日本にも浸透し始めているBYOAI
同調査によると、日本でBYOAIを行っている人の割合は78%と、世界平均と同じ水準に達しています。これにより、日本のビジネス環境においてもAIが日常業務に取り入れられるケースが増えていることが分かります。

特にその傾向は、中小企業に多いと報告があります。大手企業に比べ、中小企業ではAIツールの個人利用に関して制限が少ないことが背景にあると考えられます。
BYOAIのメリットとデメリット
メリット|従業員の生産性向上につながる
BYOAIは従業員の生産性向上につながる大きな可能性を秘めています。自分に合ったAIを活用することで、業務を効率よくこなす手助けとなるでしょう。
実際に、「2023 Work Trend Index」によると、主にAIを使いこなしているユーザー(パワーユーザー)はAI利用によって得られるメリットを実感していると報告されています。

AIの活用によって仕事の管理がしやすくなるだけでなく、創造性やモチベーションの向上といった心身に関するメリットも挙げられています。このように、職場でAIを活用することは、従業員の生産性向上につながることが明らかになっています。
デメリット|機密情報が外部に流出する恐れがある
一方で、BYOAIにはリスクが存在します。会社の機密情報を外部サービスにアップロードすることは非常に危険で、情報漏洩の原因となる可能性があります。
2023年3月24日には、OpenAI社がChatGPTの不具合を発表しました。この事例は、バグによってチャット履歴が無関係なユーザーに表示される不具合が発生したというものです。(https://openai.com/index/march-20-chatgpt-outage/)
OpenAI社は、原因がインメモリ型データベースのバグであると発表し、数時間内に修正したと発表しました。しかし、バグの発生中に社内の機密情報を送信していた場合、他のユーザーにその内容を閲覧された可能性があります。
この事例から、世界的に利用されているAIツールでも、バグによって情報が流出するリスクがあることが明らかになりました。
求められる「適切なBYOAI活用」
世界ではBYOAIが加速しており、日本でも職場でAIを使用する人が増えています。しかし先述のように、AIの活用にはリスクがつきものですから、それ相応の対策を取る必要があります。
たとえば、2024年に総務省と経済産業省から発表された「AI 事業者ガイドライン(第1.0版)」においても、「AI利用者に関する事項」という項目の中に「AIシステム・サービスに機密情報等を不適切に入力することがないよう注意を払う」という文言があります。
これに対応するためには、社内でAIツールの安全な使用方法を学ぶためのセミナーなどを開催し、従業員全員がリスクを理解し、適切に利用できるようにすることも必要です。
また、同年には生成AIを含む包括的なAIの規制である「欧州(EU)AI規制法」が成立しています。この規制では、リスクベースでAIを分類し、それぞれについてAI規制法上の要求事項と義務が書かれています。
リスクを抑えたAIの活用方法については、国内外で議論の対象になっています。BYOAIを行う際には、最低限所属する企業などの規則を遵守することが大切です。









