冷凍宅配弁当サービス「nosh」

nosh(ナッシュ)のサービス概要

noshとは

noshとはナッシュ株式会社が提供する冷凍弁当の宅配サービスです。本社を大阪府北区に置き、自社工場で製造から販売まで行っています。コロナ渦で中食が注目を集める中で販売数を伸ばし、2023年2月には累計5,000万食を突破しました。

noshの利用方法

noshの専用サイト・アプリからご注文することができます。最初に食数(6食/8食/10食)と配送間隔(1週間に1回/2週間に1回/3週間に1回)をそれぞれ選択し、そこから選んだ食数分のメニューを選択します。定番メニューからコラボメニュー、スイーツなど60種類以上の中から自分の好きな組み合わせを選択することができます。メニューを選択し終えると、最後に購入手続きに移ります。ここでは配送先の住所を選択することができるので、自宅以外にも家族や知人宛にも商品を配送することが可能です。購入後は選択した配送間隔で商品が届きますが、もちろんキャンセル可能であり、週ごとのスキップ機能も備わっています。

noshの特徴的なプロモーション

男性ユーザーに訴求するWeb広告

冷凍宅配弁当サービスの多くはヘルシーな食事を売りにしており、それゆえにユーザーは女性に寄りがちです。しかしnoshは他サービスと比較して男性ユーザーの割合が高く、半分近くを男性ユーザーが占めているというデータがあります(https://manamina.valuesccg.com/articles/1837#outline21)。

その理由はnoshが男性をターゲットにしたWeb広告を配信している点にあります。下のバナー広告がその一例です。こちらのバナー広告では独り身の中年男性を起用して、同じような状況の方に向けて共感を生み、加えて冷凍宅配弁当の手軽さも訴求しています。noshは買い出し、調理、片付けが不要であり、手軽さも十分に訴求ポイントとして考えられます。主にヘルシーな食事を売りにしている冷凍宅配弁当ですが、男性ユーザー向けに手軽さを訴求することも考えられる工夫の一つです。このようにnoshはターゲットと訴求ポイントの視点を工夫することで、他の冷凍宅配弁当サービスと比較して男性ユーザーの割合を増やすことに成功しています。

手軽さを訴求したバナー広告

あえてターゲットを定めないプロモーション

noshはYouTuberとのタイアップやSNS広告など様々なプロモーションを行っています。その中には、あえて具体的なターゲットを絞っていないプロモーションもあることがnoshの特徴の一つです。例えば猫の日常系動画として人気を集めるYouTubeチャンネル「もちまる日記」やゲーム配信者「SHAKA」氏との提携は反響を呼びました。これらは具体的なターゲットを想定しているわけではなく、まだnoshへのニーズが顕在化していなかった層に向けてのプロモーションであり、noshを認知させて魅力を訴求することを目的としていました。

以上のようにnoshは具体的なターゲットを絞らずに様々なプロモーションを行うことで、幅広いWebユーザーの中から新たなターゲットに訴求することにも成功しています。しかし課題としては、Webにあまり馴染みがないのシニア層に向けてのアプローチが挙げられます。今後noshがWeb広告中心のプロモーションでシニア層のユーザーを獲得するためには、どのような戦略が考えられるでしょうか。

Web広告でのシニア層へのアプローチ

シニア層獲得の成功例

ここでは他社のサービスでシニア層の獲得に成功している事例を紹介し、今後noshがシニア層獲得に向けてできることを探っていきます。

食宅便

まず紹介するのはnoshと同じ冷凍弁当の宅配サービス「食宅便」です。食宅便は他のサービスと比較してシニア層のユーザー割合が高く、シニア層の集客に成功していると言えます。食宅便の公式サイト(https://shokutakubin.com/shop/default.aspx)を見てみると、ケアシリーズと題してたんぱくケアや塩分ケア、さらにはやわらかい食事など、シニア層に刺さりそうなサービスを提供しています。

やずや 

続いて紹介するのは健康食品でおなじみのやずやです。やずやは通販サイト(https://www.yazuya.com/assets/lp/did-235/index.html)を設置しているものの、新聞やチラシを中心としたアナログ媒体を中心としたプロモーションを行っています。また通販サイトでは、Webでの注文に不慣れな方に向けて「インターネット注文に関するお問合わせ」を設置するなど、シニア層のユーザーを想定した配慮が見られます。

成功例をWeb広告へ活かす

以上より、食卓便はシニア層に刺さる商品を提供していること、やずやはシニア層の動きを想定した媒体を選択することでシニア層のユーザーを獲得している状況が見られました。Web広告中心のプロモーションを行っているnoshが、これらをそのまま参考にするのは難しいかもしれませんが、Web広告でシニア層へのアプローチを行う際のヒントにはなり得るのではないでしょうか。 今後noshがWeb広告中心のプロモーションでシニア層の獲得を目指すとすれば、シニア層の潜在化しているニーズに対してうまく訴求することが重要になります。ターゲットを絞らないプロモーションの発展として、媒体や提携者、訴求ポイントの組み合わせを試行錯誤しながら潜在化したニーズを見つけ出すこと、加えてシニア層の獲得に成功している事例などから顕在化しているニーズを分析していくことの両輪で検討していくことが必要なのではないでしょうか。

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