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企画が上手い人は、演繹・帰納・アブダクションをスムーズに行き来している

ウミガメのスープ

現場でたくさんの企画を見ていると、うまくいく企画には共通する“考え方の型”があると感じます。

その代表例が、演繹・帰納・アブダクションという3つの思考法です。私たちプランナーは日常的に、無意識にこの3つを行ったり来たりしています。今回は、企画の現場でどう使われているのか整理してみます。

① 未来を予測するときの「演繹(えんえき)」

演繹は、とてもシンプルな思考です。

「すでにあるルールを、目の前の出来事に当てはめて予測する」

たとえば、こんな感じです。

これはもう、多くの人が自然にやっている思考ですよね。

市場予測、売上予測、KPI設計、広告効果の見込みなど、「この条件なら、きっとこうなる」と読むときは、ほぼ演繹を使っています。

② 傾向を見つける「帰納(きのう)」

帰納は、たくさんの事実から“型”を見つける考え方です。

この事実が積み重なることで、

というルールが生まれます。

アンケート分析、ユーザーインタビュー、アクセス解析、購買データの分析などは、ほぼすべてこの帰納の世界です。

バラバラだった点が、ある瞬間に“線”としてつながる。あの感覚が、帰納の醍醐味かもしれません。

③ 「なぜ?」を推理する「アブダクション」

少しトリッキーなのが、このアブダクションです。

アブダクションは、
「起きた結果」から、「それっぽい原因」を仮説として推理する思考法です。

たとえば、

これがアブダクションです。

企画の現場では、

といった、“理由がすぐにわからない問題”に必ずぶつかります。
この“モヤっとゾーン”を突破するのが、アブダクションです。

企画の仕事は、3つを行ったり来たりしている

実際の企画は、どれか1つだけで完結することはほとんどありません。たとえば企業調査の場面では、こんな流れが自然に起きています。

でも、本当にそうだろうか?と考えて、

ところが、

そこでさらに考えます。

こうして、仮説の解像度がどんどん上がっていきます。

結局、すべては「仮説づくり」の話

演繹も、帰納も、アブダクションも、
実はすべて「仮説をつくるための道具」です。

企画とは、
仮説を立てて、検証して、ズレたらまた修正する
このくり返しなのだと思います。

アブダクションが強い人が、だいたいやっていること

最後に、特に企画力に差が出やすい「アブダクションの鍛え方」を少しだけ紹介します。

「なぜ?」を最低3回、自分にぶつける

違和感を覚えたら、1回で止まらず、無理やり3回「なぜ?」を重ねる。
しかも最後は、あえて全然違う角度の理由も考える。
これだけで、発想の検索範囲が一気に広がります。

何でも「たとえ話」で考えてみる

ビジネスと恋愛、組織づくりとスポーツ、SNSと口コミ…。
違う世界を無理やりつなぐと、思考が一段ジャンプします。

事例は「結果」ではなく「しくみ」で覚える

×「A社は値下げして失敗した」
○「A社は“ブランド価値が命”なのに、安売りしてしまった」

この「なぜ失敗したか」が、次の企画のヒントになります。

「なんとなく」を放置しない

「なんとなくこの企画、危ない気がする」
そう感じたら、「それって、過去のどの失敗と似てる?」と、自分に聞いてみる。

直感は、だいたい過去の経験のデータベースです。

おわりに|企画は、情報の“編集”でできている

たくさんの情報があふれる時代だからこそ、

この「思考の編集力」が、企画の質を大きく左右します。

演繹・帰納・アブダクション。
この3つを意識的に使い分けられるようになると、
企画の見え方が、きっと少し変わってくるはずです。

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