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クワイエットアワー

クワイエットアワーとは

クワイエットアワーは発達障害をはじめ、パニック障害、片頭痛患者などに多いとされる「聴覚過敏」の方に対応する取り組みとして生まれました。スーパーなどの施設においてBGMなどの音や照明など「刺激」となる要素を、一定時間消したり弱めたりする取り組みを指します。

たとえば、聴覚過敏の方にとっては以下のような要素が刺激と感じられます。

(出典:https://www.city.kawasaki.jp/2020olypara/cmsfiles/contents/0000134/134874/book.pdf

聴覚過敏を持つ方は、これらの刺激に不安感や疲労感を感じます。そのようなことを避けるために、「騒がしい」スーパーなどの利用の機会が減っているのです。

この問題に対しクワイエットアワーを導入することで、聴覚過敏の方でも安心して施設を利用できるようにしています。

広がりを見せるクワイエットアワーの取り組み

クワイエットアワーは2017年にイギリスやオーストラリアのスーパーではじめて実施されました。その後日本においても取り組みが開始され、現在は日用品を販売する施設のみならず、動物園や水族館といった施設での導入も試みられています。

企業視点で考えるクワイエットアワーを実施するメリット

1|社会課題解決への取り組みにつながる

SDGsの11番目には、「住み続けられるまちづくりを」という目標が掲げられています。具体的には「特に子どもや女性、障害者、高齢者など配慮が必要な人々にとって、安全な交通機関や公園などの公共スペースをつくること」と、示されています。

聴覚過敏の方にとって一般的なスーパーなどの施設は騒がしく感じられ、利用の機会を減らすため、結果的に本人の社会的排除につながってしまいます。クワイエットアワーの実施により、聴覚過敏の方の施設へのアクセシビリティを高めることができれば、社会課題解決への解決につながります。

2|企業としての評価向上

現在、投資家が投資先の企業を決めるにあたり、環境(Environment)/社会(Social)/ガバナンス(Governance)という3つの要素を考慮した、ESG投資が注目されています。

この中のS(=social)では「社会的責任を果たしているか」という点が判断基準として設けられています。クワイエットアワーの実施により聴覚過敏の方の多様性を尊重し、地域社会へ貢献しているといえます。そのような社会的課題へ取り組む姿勢が、投資家の視点から評価されると考えられます。

3|売上の増加が期待できる

クワイエットアワーの実施は、単に聴覚過敏の方の買い物を促進するだけでなく、サポートする家族の買い物もスムーズなものにします。聴覚過敏の方の中には音や光などに刺激されると、不安感からパニック状態になり暴れてしまうといったケースがあります。そうなるとサポートする方は買い物に集中できなくなり、店を後にするという状況が起こってしまいます。

しかし、クワイエットアワーの実施により刺激を少なくすれば、当事者が安心して買い物できるだけでなく、サポートする人もゆったり落ち着いて買い物を楽しむことができると考えられます。

クワイエットアワーの展望

N=1向けの施策は広く受け入れられる可能性を持っている

N=1とは、「1名の行動や意見、想いなどから仮説を確かめたり、仮説をつくったりするような方法のこと」を指します。(N=1についてはこちらの記事をご参照ください。)

冒頭で紹介したクワイエットアワーは、N=「1」ではありませんが、聴覚過敏という特性を持つ「1」つのグループの人々に焦点を当てた取り組みです。

クワイエットアワーの実施は、一見すると当事者以外の利用客にはメリットがないように思われるかもしれません。しかし、聴覚過敏の方に向けたクワイエットアワーという取り組みは、実は当事者とその周りの家族だけでなく、

…などにも受け入れられる可能性があります。N=「1」の視点で考えると、このように周辺のターゲット像に関する仮説が浮かびやすくなります。新たなマーケットを開拓したい際には、ぜひN=「1」の考え方を参考にしてみてください。

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