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先入観を捨て顧客に寄り添う―「Comado」に学ぶシニアマーケティングのポイント

「シニアはデジタルが苦手」―そんな先入観を持っていませんか?
いま注目されているのは、従来のシニアのイメージとは異なる「アクティブシニア」という存在です。
本稿では、サントリーウエルネスの健康サポートアプリ「Comado(コマド)」の事例を通じて、先入観にとらわれないマーケティングの重要性を考察します。

アクティブシニアとは?

一般社団法人日本アクティブシニア協会は、アクティブシニアを「仕事や趣味に意欲的で、新しい価値観を取り入れる、健康意識や自立意識が高い65〜75歳の人のこと」と定義しています。

アクティブシニアの4つの特徴

内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上の85.5%、65~74歳では89.2%が「よく外出する」または「たまに外出する」と回答しており、シニア層のアクティブ化が進んでいることがわかります。

内閣府による「令和2年版高齢社会白書」では、60歳以上の就業者の約9割が「70歳を超えても働きたい」と回答しています。また、「今後学習したい」と答えた人は60~69歳で81.4%、70歳以上でも62.6%にのぼり、シニア層の高い意欲がうかがえます。

ソニー生命が発表した「シニアの生活意識調査2024」によると、シニアは旅行、グルメ、スポーツなど、自分の趣味に積極的にお金を使う傾向があり、消費意欲も旺盛です。

総務省の「令和6年通信利用動向調査」によれば、60代の9割以上、70代でも7割近くが日常的にインターネットを利用しています。また、同調査から、シニア層はLINEやX などのSNSやアプリを活用し、デジタル上で情報収集やコミュニケーションを楽しんでいることがわかりました。

アクティブシニアの心をつかんだアプリ―「Comado(コマド)」

スマホアプリ「Comado」とは?

こうした新しいシニア像に徹底的に寄り添い、高い支持を得ているのがサントリーウエルネスの健康習慣サポートアプリ「Comado」です。2023年にリリースされたこのアプリは、朝食、運動、睡眠などの健康行動を記録・可視化し、ポイントを貯めながら自然と健康習慣が身につく設計が特徴で、フィットネスやクイズなど、楽しみながら健康意識を高める工夫を随所に盛り込んでいます。また、「サプリメントだけでは人をウエルネスな状態にできない。生活習慣に向き合うこととセットにして初めて、お客様に真のウエルネスを提供できる。」という理念から、身体・心・生活全体をサポートするしかけが施されています。

「Comado」が目指すのは、単なる情報提供にとどまらず、生活に効果をもたらすこと
(画像はComado公式サイトより)

なぜ「Comado」が選ばれるのか?―徹底的にシニアに寄り添った設計

サントリーウエルネスでは、2020年から、お客様の健康状態や生活習慣、不安や悩みを丁寧にヒアリングする「オンライン家庭訪問調査」を継続的に実施し、シニアのリアルな声をもとに、アプリ開発のPDCAを高速で回してきました。この過程で見えてきたのが、「シニア扱いされたくない」という本音です。

これを受け「Comado」では、あえてシニア向けを前面に出さず、文字サイズを必要以上に大きくしない、情報量を落とさないなど、誰にとっても自然に使えるユニバーサルデザインを採用しました。「シニアだから理解できないだろう」「シニアだから操作できないだろう」といった思い込みを捨て、顧客の声に正面から向き合うことで、使いやすいアプリを実現しています。


みんなにやさしいデザインを意識している

「Comado」は、ユーザーが日々の生活の中で自然と使い続けられるよう、日常動作に組み込みやすい設計を意識しています。たとえば、「9時にお気に入りのトレーナーのレッスンがある」「食後にポイントをつける」といったように、毎日の生活リズムに合わせた使いやすさを工夫することで、無理なく習慣化されていきます。

Zoomを使ったリアル参加型のオンラインフィットネスでは、推しインストラクターを見つけるユーザーも多く、人気回には300人が同時接続することもあります。デジタルでもライブ感を取り入れ、リアルなつながりを感じられるしかけがユーザーの継続利用を後押ししています。

サントリーウエルネスの調査では、65歳以上のスマホ所有率は8割を超えることが明らかになっています。こうした実態を的確に捉え、「Comado」はスマホ専用アプリとして開発されました。

さらに、利用者に対して「いつ、どこで、どのようにスマホを利用しているか」を継続的にヒアリングし、利用シーンを徹底的に分析しています。その結果をもとに、最適なタイミングでパーソナライズされた通知を送るなど、生活に自然と溶け込んだサービス提供を実現することで、アプリがシニアにとって身近な存在となっています。

「Comado」の成功に学ぶ シニアにアプローチするコツ

コツ① ターゲットのことを深く知る

少子高齢化が進む日本において、65歳以上の人口は今後さらに存在感を増していきます。これからのシニア層は、デジタルに親しんだ世代が主流を占めるようになっていくため、「シニアだからデジタルは苦手」という先入観を捨てるべきでしょう。顧客を深く知り、長く愛される関係性を築くことが、これからのシニアマーケティングのポイントだと考えます。

コツ② 多様な顧客接点でユーザーを取りこぼさない

「オンライン家庭訪問調査」からは、年齢が上がるにつれて顧客の多様性が広がることが明らかになっています。つまり、デジタルを使いこなす層がいる一方で、デジタルに不慣れな層も一定数存在するという認識も必要です。そのため、デジタルを入り口としつつも、パンフレットやテレビCMでの告知、電話やチラシ、ハガキなどのマルチチャネルで顧客接点を設ける必要があると考えられます。誰もが快適にサービスを利用できる、あるいはサービス利用のきっかけとなるような幅広い入口を用意することで、利用者に安心感を与え、より多くの支持を獲得できるでしょう。

コツ③ 自分事化しやすいコミュニケーション

データに基づくパーソナライゼーションは重要です。また、「Comado」のようにリアルタイム性のある関わりを重視した設計も、ユーザーの積極性に直結します。したがって、ライブ感のある双方向コミュニケーションを取り入れることで、顧客が当事者意識を持ち、主体的にサービスを利用するようになると考えられます。

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